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岐阜県飛騨市

「お互いさま」が広がるプロジェクト「ヒダスケ!」

風景

■実施主体:岐阜県飛騨市

◆助け合いを生み出す「ヒダスケ!」の概要

プログラムの一例プログラムの一例① みょうが畑の草取り・間引きのお手伝い
プログラムの一例プログラムの一例② イベント『バラモリ2023』のお手伝い

・飛騨市内にあるさまざまな困りごとの解決のために、市内外の方々の力を借りて、楽しく交流しながら助け合いを生み出す仕組み「ヒダスケ!-飛騨市の関係案内所-」を2020(R2)年4月に創設した。

・市民の困りごとをプログラム化してインターネットサイト(https://hidasuke.com/)に掲載・発信し、それに参加する方(ヒダスケさん)が現場に赴き、プログラム主催者(ヌシ)やその他参加者と交流をしながら「オタスケ」する仕組みである。

・ヒダスケ!に参加すると、ヒダスケさんに電子地域通貨(さるぼぼコイン)の他そのヌシごとにオカエシをしている。

・参加者(ヒダスケさん)の旅費等は自費である。

・参加プログラムの例としては、農繁期の農作業、イベント補助、など多岐に渡る。

さるぼぼコインマーク
さるぼぼコインマーク

◆ファンクラブをきっかけに「ヒダスケ!」の創設

飛騨市に心を寄せてくださる関係人口の増加を目的に、2017(H29)年「飛騨市ファンクラブ」を設立(2023(R5)年12月末現在で会員数約1万3千人)。会員への特典の付与や会員同士の交流会の開催を行っている。

会員との交流を進めている中で、「関係人口(観光客以上、移住者未満)」の存在に気づき、関係人口に発展するメカニズムの調査を行うため、飛騨市東京大学・中央水産研究所・株式会社楽天の4者で「未来のコミュニティ研究室」を立ち上げ、実験と研究を開始した。

実験では、市内にある資源を題材にイベントなどを行い、関係人口の創出を試みた。研究では全国5000人にアンケートを実施。アンケートの結果から研究を行ったところ、「関係人口は移住しない」ことや「嬉しい」「役に立った」などの「印象深い体験をすると関係地に対する愛着が高まる」という分析結果となった。

これらの実験や、研究結果をヒントに「ヒダスケ!」が開始した。

飛騨市内風景飛騨市内風景
飛騨市内風景

◆関係人口との交流からチャレンジする動き

・受賞歴:2021年度グッドデザイン賞、2021年第9回グッドライフアワード環境大臣賞自治体部門賞、2021年第22回中部の未来創造大賞、2021年度ふるさと名品オブ・ザ・イヤー地方創生賞、2022年第1回まちづくりアワード国土交通大臣賞、令和4年度過疎地域持続的発展優良事例表彰総務大臣賞

・「ヒダスケ!」が地域にもたらした効果として、地域内外での往来や助け合いが生まれ「お互いさま」の精神でエリアを越えて助け合う土壌が育まれてきている。

また。関係人口との交流によって改めて活動に力が入ったり、チャレンジする動きが生まれている。

・移住者が地域と繋がる仕組みとしても機能しており、ヒダスケ!をつうじて 独自のコミュニティを形成していった例もある。

2021年第9回グッドライフアワード環境大臣賞自治体部門賞 受賞2021年第9回グッドライフアワード環境大臣賞自治体部門賞  受賞
2021年度グッドデザイン賞 受賞2021年度グッドデザイン賞 受賞

◆取り組みのポイント

・ヒダスケ!はボランティアや体験ツアーをリブランディングした、地域と人と体験でつながる「参加型プログラム」である。

・ヌシとヒダスケさんをただ繋ぐだけでなく、その場をコーディネートする役割を担う人材が重要である。

・ヒダスケ!のような取り組みを行う際は、実施主体と受け入れ地域との温度感を確かめつつ運営していくことが重要である。