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富山県ウェルビーイング指標の活用

■実施主体:富山県知事政策局成長戦略室ウェルビーイング推進課

◆県の魅力を増やすウェルビーイングのサイクル

Well-Beingは英語の「Well(よい)」と「Being(状態)」が組み合わさった言葉で、WHOが1946年に「健康」を定義づける言葉として「身体的・精神的・社会的に良好な状態」を指す言葉として用いている。(以降はウェルビーイングと呼称)。

富山県では「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」をビジョンとして2022年2月に富山県成長戦略を策定した。ウェルビーイングが向上することで県への出入りが活性化、様々な人材が育ちいろいろな人が集まってくる。すると、新しい価値と新しい産業が生まれる。その結果、経済が成長し、地域も発展する。そうすれば一人ひとりのウェルビーイングが更に向上する…このようなウェルビーイング向上と経済成長の好循環を生み出していくことが、この戦略の狙いである。

富山県では、このウェルビーイングを捉える指標を独自に策定し、2023年1月に公表した。

ウェルビーイングと言ってもひとりひとり形は異なるウェルビーイングと言っても一人ひとり形は異なる
ひとりひとりの取り組みがウェルビーイングを生み出す一人ひとりの取り組みがウェルビーイングを生み出す

◆人口減の危機感が生んだ成長戦略

富山県の人口は1998年頃112.6万人でピークに達していたが、現在は101万人を切っている。人口減少や少子高齢化の進展、そして新型コロナウイルスによる厳しい経済情勢がさらに追い打ちをかけた。現職の新田八朗富山県知事は、民間企業の経営者だったキャリアから喫緊の課題に対応すべく富山県にゆかりのある実業家や専門家計11名を委員とする「富山県成長戦略会議」を設置。新時代の成長戦略のキーワードとして「ウェルビーイング」を掲げ、県民目線、スピード重視、現場主義の3つを県政運営の基本スタンスとして、スピーディーな政策展開に乗り出した。

◆ウェルビーイング向上の戦略と意識づけ

ウェルビーイング向上を成長戦略に掲げたものの、ウェルビーイングの現状把握やウェルビーイングの向上はどうやって見ていくのかという部分に大きな課題があった。

そこで、県ではまず現状を把握するため県民意識調査を実施。その回答結果を様々に分析し富山県オリジナルのウェルビーイング指標として10指標(総合2指標、分野別7指標、つながり1指標)を策定した。

次に心がけているのは自治体自身と県民の双方に対するウェルビーイングの意識づけだ。

県の仕事を進めるにあたり、「どういう県民のウェルビーイングのためなのか」「それがどのように幸せに寄与できるのか」の視点を常に持ち、「それに必要なアウトプット/インプットは何なのか」を問いかけることが肝要である。

また、県民のウェルビーイング向上のためには、一人ひとりが「自分事」として捉え、意識・行動することが大切だ。このため、富山県ではウェルビーイングの情報を積極的に発信している。(県の特設サイトでは自分のウェルビーイングをチェックできる機能がある。)

富山県庁のウェルビーイング推進課
富山県庁のウェルビーイング推進課

◆ローカルレベルでの取り組みは世界的に見ても先進的

ウェルビーイングは国際的にも研究途上の分野であり、富山県を含めて世界的にも現在進行形だ。去年2月に富山県で開催された会議では国外の研究者からも富山県の取組みは先進的という評価を得ている。施策への活用はまだ道半ばというところもあり、真価を問われるのはまだこれからであろう。

挑戦はまだ始まったばかりだ。

富山県のWebサイトに特設ページを設けて本格的に展開している
富山県のWebサイトに特設ページを設けて本格的に展開している