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岡山県久米郡久米南町

町民がふれあい、ドライバーたちが憩う交流ステーション

■実施主体:久米南市産業振興課、NPO法人ロハスホームタウンネットワーク

◆道の駅指定管理者の管理運営で、地域住民の生活が向上

岡山県のほぼ中央に位置する中山間地域である久米南町。その国道53号沿いにあるのが、「道の駅 くめなん」だ。久米南町は、県内1位の高齢化率41.9%(2015年10月時点、岡山県「岡山県の高齢者(65歳以上)の市町村別状況」より)を記録し、高齢化が大きな課題となっている。こうした中、平成28年4月から令和3年3月まで指定管理者となった(株)パソナ岡山は、同施設をリニューアルし、地域の活性化のためにさまざまな取り組みを行った。

リニューアル後の同施設の敷地内には緑地公園や木工、土ひねりが楽しめる木造平屋の工房、食品加工施設でのテイクアウト販売のほかに、施設の中心には「ふれあいの館」がある。ふれあいの館の1階は特産物販売コーナーや情報コーナー、レストランがあり、2階の和室と研修室は多目的スペースとして利用されている。同施設では、観光情報及び道路情報の発信、地域の特産品の展示及び販売、地域振興及び地域交流を目的とするイベントの開催、地元の団体、学校とコラボしてのイベント開催などが行われている。

リニューアル後の道の駅 くめなんリニューアル後の道の駅 くめなん
道の駅 くめなん1階の特産物販売コーナー道の駅 くめなん1階の特産物販売コーナー

◆「女性目線」を活かした道の駅運営

道の駅 くめなんは、設立当初は(有)ふるさと振興公社によって運営されていたが、それ以降指定管理者による運営となった。平成28年4月から令和3年3月までは(株)パソナ岡山が指定管理者となり、平成 29年4月からは岡山県内で初の女性駅長が就任した。

それをきっかけに、地元の6次化商品の販売をはじめ、出荷量県内随一の「ゆず」と「きゅうり」にこだわったオリジナル加工品の開発・販売や、レストランメニューを展開するなど、いわゆる「女性目線」を活かした取り組みを積極的に行った。

また、農林水産省が進めるプロジェクト「農業女子プロジェクト」の一環として、女性を中心に農山村地域の創生を目的とした「半農半X」のビジネスを経験・習得するための道の駅と限界集落をつなぐ「ガールズファーム」を募集する取り組みも行った。

これらの取り組みの背景には、指定管理者の(株)パソナに、民間ノウハウや各種専門家との関係があったためと推測される。

◆成果

レストランのメニュー開発や、本町の特産品であるゆずを使った道の駅オリジナルの商品開発を行った結果、岡山県の地産地消協力店として、約3割だった同施設が扱う商品の地場産品・県産品の割合は、パソナ岡山が指定管理者となった平成 28 年以降、約7割と大幅に増加したという。

令和3年4月1日以降は、道の駅 くめなんの指定管理者は、NPO法人ロハスホームタウンネットワークに変更となっている。そのため現在は、同社が開発した特産品ではなく、新たに開発した特産品をお土産品として販売しているが、それぞれの地域への想いは同じで、引き続き季節にあわせた地元の農産物を原料とした食堂メニューや商品を提供しているという。なかでも、久米南町の名物ゆずの果汁を使った道の駅のオリジナルゆずソフトや久米南ゆずミルクセーキは人気を博している。

また、地域で活動している団体や学校などが道の駅のレストランや屋外広場を使用してイベントを開催する際は、駐車スペースも確保しながら、コロナ対策に配慮した対応ができているという。

道の駅 くめなんオリジナルのソフトクリーム「ゆずソフト」久米南ゆずミルクセーキ
施設内のレストランでは、地場産野菜を使用し、健康にも配慮したメニューを提供している。施設内のレストランでは、地場産野菜を使用し、健康にも配慮したメニューを提供している。