水管理・国土保全

  

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最上川の主な災害

「羽越豪雨」を始めとする最上川の水害

最上川における洪水の原因としては、 融雪(ゆうせつ)によるものと大雨によるものに大別されますが、これまで大きな被害をもたらしてきた洪水は大雨によるものが大半です。大雨の原因としては、地理的条件から、台風によるものは比較的少なく、前線性降雨や温帯低気圧によるものが多くなっています。

最上川で大きな被害をもたらしたのは、戦後最大規模の洪水であり河川整備計画の目標洪水でもある昭和42年8月洪水(羽越豪雨)、昭和44年8月洪水等です。

近年の大出水として記憶に新しいのは、下野水位観測所で観測史上2位の水位を記録した平成25年7月洪水、主に指定区間(南陽市:吉野川)で大きな被害が発生した平成26年7月洪水が挙げられます。


発生日 発生原因 被災市町村 被害状況
1913年(大正2年) 台風+前線 山形市 他 死者・行方不明者不明 浸水家屋537戸
1953年(昭和28年) 寒冷前線 鶴岡市 他 死者・行方不明者1名 浸水家屋1,009戸
1967年(昭和42年) 前線+低気圧 米沢市、南陽市、長井市 他 死者・行方不明者8名 浸水家屋21,884戸
1969年(昭和44年) 低気圧 酒田市、鶴岡市、新庄市 他 死者・行方不明者2名 浸水家屋4,925戸
1971年(昭和46年) 温暖前線 酒田市、鶴岡市 他 死者・行方不明者4名 浸水家屋6,439戸
1975年(昭和50年) 寒冷前線 真室川町、鮭川村 他 死者・行方不明者5名 浸水家屋788戸
1997年(平成9年) 台風8号 新庄市、大蔵村、山辺町 他 死者・行方不明者0名 浸水家屋81戸
2002年(平成14年) 梅雨前線+台風6号 山形市、米沢市、村山市 他 死者・行方不明者0名 浸水家屋44戸
2004年(平成16年) 梅雨前線 新庄市、真室川町、鮭川村 他 死者・行方不明者0名 浸水家屋99戸
2013年(平成25年) 低気圧 南陽市、村山市 他 死者・行方不明者1名 浸水家屋437戸
2014年(平成26年) 梅雨前線 南陽市 他 死者・行方不明者0名 浸水家屋622戸



平成25年洪水

7月17日に日本海にあった低気圧はゆっくり南東に進み、18日には山形県付近を通過しました。この低気圧に向かって太平洋高気圧から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となったため、山形県では断続的に非常に激しい雨となりました。

西川町大井沢、大江町左沢などでは、日最大降水量や24 時間最大降水量が統計開始以降1位の記録を更新したほか、鶴岡では1時間降水量が統計開始以降1位の記録を更新するなど県内の広い範囲で記録的な大雨となりました。

この大雨により最上川水系月布川、吉野川等が氾濫するなど県内の広い範囲で洪水や強雨による住宅の浸水、道路の冠水が発生したほか、西川町の国道でがけ崩れが発生するなど県内の各地で土砂災害等が発生しました。

特に大きな被害となった大江町や朝日町の58世帯に避難指示、山形市や南陽市など7市町の2,733世帯に避難勧告がだされました。

また、これらの災害により、行方不明を含む人的被害があったほか、道路の不通や鉄道の運休など交通機関にも大きな影響がありました。


村山市大久保遊水地付近の状況


南陽市吉野川の増水による道路冠水状況




過去の主な渇水

山形県では水利用の多くを最上川に依存している状況から、流域全土にわたり深刻な被害をもたらした昭和48年をはじめ、幾度の渇水が発生しています。このような渇水時には、農業用水使用者は番水による節水、反復利用の強化、地下水揚水補強等により対応し、都市部においては夏場のプール利用を停止したり、一時的な断水を実施するなどして対応している現状にあります。

また、昭和56年に完成した白川ダム、平成2年に完成した寒河江ダム、および平成23年に完成した長井ダムなどによる適切な貯水状況の運用や、関係利水者との打合せを密に行うことで渇水に対応しています。

近年では平成27年7月から8月にかけて渇水となり、白川ダムにおいては、7月から8月の降雨量がダム完成以来最低を記録しました。


渇水状況(平成27年7月 碁点橋付近)

発生年月 取水制限延日数 最大取水制限率 最上川の瀬切れ発生日数
昭和30年
昭和48年
昭和53年
昭和59年
昭和60年
平成6年
平成16年 農水:15%
平成24年
平成27年



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