将来交通予測のあり方に関する検討委員会

第1回 将来交通量予測のあり方に関する検討委員会
日 時 平成15年2月24日(月)10:00〜12:00
場 所 国土交通省第3号館2階特別会議室
議事次第 1.開会
 2.道路局長挨拶
 3.委員紹介
 4.委員長挨拶
 5.議事
  (1)設立趣旨、運営方針、検討内容、スケジュール等
  (2)交通需要推計の概要と民営化委員会での指摘と対応について
  (3)長期交通需要推計の考え方の整理について
  (4)民営化委員会の第三者調査結果への対応について
 6.その他
 7.閉会

委員長
太田勝敏
東京大学大学院工学系研究科教授
委  員
浅子和美
一橋大学経済研究所教授
委  員
石田東生
筑波大学社会工学系教授
委  員
森杉壽芳
東北大学大学院情報科学研究科教授
(敬称略、五十音順)
○は出席した委員

委員会資料   議事録

委員会の運営について
委員会を公開とすることも含めて委員全員の了承が得られた。

委員会の検討範囲について
「民営化委員会第三者調査結果に対する対応」については、具体的な推計モデルの内容も含めて検討する。
「今後の将来交通需要推計に関する検討」については、解決できないものも結構ある。本委員会では、今後の道路計画における将来交通需要推計の基本的な考え方を整理し、課題や今後の対応方針を検討する。
当面検討の焦点は「全国及び地域ブロックの自動車走行台キロを推計するモデル」に絞る。
将来交通需要推計の公開のあり方に関して検討を行う。

将来交通需要予測モデル及びその予測値について
政策シナリオと将来交通需要推計の関係について
 ・ 政策シナリオの効果が交通需要など人の行動にどのように影響するかを描写するモデルを検討することが重要と考えるが、実際にそれをモデル化するのは難しい。
 ・ 全国の自動車走行台キロを推計するモデルなので、全国レベルで考えるべき政策としてどういうものがあるかということについては整理が必要。
 ・ モデルの前提条件(GDPや人口などの外生的な背景シナリオ及び高速道路の完成延長などの道路に関する政策シナリオ)と、その帰結(推定結果)がワンセットで示されるということが重要。
今後の将来交通需要推計の公開の方向性について
 ・ 将来交通需要推計で重要なことは、いつでも誰でもチェック可能なように情報公開しておくことであり、それが説明責任を果たすということである。
 ・ 今回の交通需要推計は、推計の考え方やモデルを公開し、さらに第三者によりデータを含めてチェックを受けたものであり、大変意味のあるものと言える。
 ・ 将来交通需要推計と、その結果を計画や政策で用いることは分けて考えるべき。推計については、不確実性を伴うことを前提に平均値や分布の形について説明したり、モデルの感度分析結果を示すことも可能。それを計画や政策で使う場合には、価値判断が伴い、使う者の責任においてどう判断したかを説明すべきである。
関係機関の連携について
 ・ 港湾、航空、鉄道などについて、将来交通需要推計を一緒にやっていくべきだと、この委員会から提言したい。
GDPや人口の影響について
 ・ 高位、中位、低位で推計しているGDPや人口が変動した場合の影響は大きいと考えられるので、そのチェックも必要。
 ・ GDP、人口等の推計をチェックする際、「共和分」という考え方があるので、試みておくと良い。
5箇年毎の将来交通需要推計の見直しについて
 ・ 5箇年毎に見直していくのだから、政策や計画としてはフレキシブルに対応できるということであればオプション的な対応が可能であるということである。オプション的対応が可能ならば、需要推計は精緻でなくてもいい。オプション的対応が難しい場合には、正確にやらなければならない。このバランスをどのように取るのかということが課題である。
過去の将来交通需要推計の見直し要因について
 ・ 過去に見直した将来交通需要推計の具体事例について、モデルは同じで外生変数を実績に合わせて計算してみる、といった方法で乖離要因の分析を行うと良い。
次回に向けて
 ・ 事前に各委員より今回の試算結果についてコメントをいただく。
 ・ 今回の試算結果では全国の自動車走行台キロへの影響は1%以下というオーダーであったが、これが路線別交通量などに及ぼす影響について試算を行う。
 ・ 過去の将来交通需要推計における推計値と実績値の乖離に関して要因分析を行う。
 ・ GDPや人口に関する感度分析を行うほか、他の説明変数の追加や感度分析についてご指摘等があれば、事務局で試算して結果を出す。

(文責 国土交通省道路局 速報のため事後修正の可能性あり)


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