将来交通予測のあり方に関する検討委員会

第4回 将来交通量予測のあり方に関する検討委員会
日 時  平成15年9月30日(火)13:00〜14:30
場 所  経済産業省別館 817号会議室
議事次第  1.開会
 2.出席者紹介
 3.報告
 4.議事
  (1)第3回将来交通量予測のあり方に関する検討委員会議事概要
  (2)今後の将来交通量予測のあり方に関する検討委員会の進め方について
  (3)全国交通需要推計の課題に対する検討について
  (4)地域別の将来OD表推計配分交通量推計の課題に対する検討について
 5.閉会

委員長
太田勝敏
東洋大学国際地域学部教授
委  員
浅子和美
一橋大学経済研究所教授
委  員
 
石田東生
筑波大学社会工学系教授
委  員
森杉壽芳
東北大学大学院情報科学研究科教授
(敬称略、五十音順)
○は出席した委員

委員会資料   議事録(PDFファイル)

今後の委員会の進め方について
将来交通需要推計に関する残された課題に対する対応方策やその方向性を検討するために、今回を含め、今年度にあと3回程度委員会を開催することについて了解。


課題を整理する際の視点について
今回の検討では、「旅客」「貨物」別に「台数」「台キロ」を推定することとした。いつもその視点で考えることが重要。
予測対象の整理をしておかないと後で混乱する。少なくとも10年から50年くらいの「長期」の予測を対象に、「全国」と「地域」という2つの空間レベルで、「乗用」「貨物」の車種別に考えていく。

推計の前提となるGDPについて
政府としての予測値をそのまま使うだけではなく、それ以外の判断についてもいろいろ検討する、という姿勢が良い。
本来、地域の人口やGDPは、道路投資によって変わってくる。この扱いは大きな課題として残っているが、別途必要に応じて考えることとしたい。
GDPの内生化は、将来のGDP実現のためには道路投資が必要、ということを明示的に示すモデルとなる。これは難しいが、理論的に正しい方向。需要予測が本来持つ重要な機能である。

将来交通需要推計値の見直し基準について
推計値と実測値の乖離のチェックは、「台キロ」だけではなく、主要な発生集中交通量など、新しい指標の概念が必要。
 → 毎年得られるデータが「台キロ」しかない。それについては明記しておく。


定数項補正について
利用できる直近データと予測値との乖離が今後どのくらい続くか、という判断がポイント。過去のデータからその情報を得てすり付けを行う手法もある。

貨物交通需要推計について
貨物車輸送トンキロとGDPの相関が0.998と高いので、GDPを予測することは貨物交通量そのものを予測することに等しいと言える。交通需要推計においてGDPは要らないと言えるのではないか。
GDPを用いない場合の理論的な問題点として、発生原単位などにおいて時系列データを利用するにしても、産業構造の変化や技術革新を背景にしたメカニズムの変化による説明が必要となる。
GDPを用いずに貨物自体の時系列だけで将来の貨物交通量を想定してよいか、が論点となる。
経済学のテクニックで、直線的でないトレンドをうまく捕まえる方法もある。
大学などの研究機関でトライ&エラーを重ねていくことが必要ではないか。

全国交通需要推計から将来OD交通量推計に至る推計手順の課題について
「全国」でブロック単位のフレームを決め、「地域」でのブロックから都道府県単位へのブレークダウンについては標準的な方法のみを決めておく、という考え方がある。また、ブロックは飛ばして、「全国」で直接都道府県レベルのフレームを決める、という考え方もある。
「地域」については、その特性を踏まえて独自のフレームを設定したり、さまざまなモデルを採用できるようにしておくなど、地域の考え方を取り入れられる仕組みが良い。
「地域」で作業を行う際には、地域をまたがる通過交通など、他の地域に影響を及ぼす部分について統一的な考え方が必要である。


将来OD交通量推計の改善について
時系列のグラビティモデルは、世界的にも貴重な過去のODデータの蓄積により可能となったもので、相関が高く、画期的なものになっている。



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