道路

4.踏切道改良促進法

4-1 踏切道改良促進法とは(昭和36年11月7日法律第195号、最終改正:令和3年3月31日)

  • 踏切道改良促進法は、踏切道の改良を促進することにより、交通事故の防止及び交通の円滑化に寄与することを目的に昭和36年、制定されました。
  • 改良すべき踏切道の指定に係る基準に該当する踏切道の中から、踏切道における交通量、踏切事故の発生状況等を考慮し、踏切道改良基準に適合する改良の方法により改良する必要がある踏切道について、国土交通大臣が指定を行います。
  • 法指定は、緊急に効果を得るため、期間を定めて集中的に事業を促進させることとしており、昭和36年の法制定時から、法指定の期間を5箇年に限り、都度延長してきたところですが、対策の長期化により従来の5年間の指定年限では指定しづらくなってきたため、指定年限を撤廃・恒久化し、交通安全基本計画等の国の5ヶ年計画と連動して、優先順位等を勘案しつつ、指定していくこととしました。
  • 指定された踏切道については、踏切道の改良に要する期間等を定めた国踏切道改良計画又は地方踏切道改良計画を作成し、改良を行うこととなります。
  • 課題のある踏切の対策の検討や地方踏切道改良計画の作成及び実施等にあたり、鉄道事業者及び道路管理者は、踏切道の所在地を管轄する都道府県知事や関係市町村長、地方整備局長、地方運輸局長を構成員とする地方踏切道改良協議会を組織し、必要な協議を行うことができます。
  • また、大規模災害時に、列車の駅間停止等により、踏切道において長時間の遮断が発生し、救急救命活動等に大きな支障が生じるような事態を防止するため、国土交通大臣が指定した踏切道について、道路管理者・鉄道事業者が、災害時に踏切道を開放するまでの手順、関係機関への連絡体制等をあらかじめ策定するよう義務付ける制度を創設しました。

踏切道改良促進法

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=336AC0000000195


踏切道改良促進法施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=413M60000800086

4-2 踏切道改良促進法の一部改正の概要(令和3年3月31日改正)

  • 機動的な指定に見直し
    踏切道改良促進法に基づき、着実に対策が進められた結果、踏切道数は半減(約7万→約3万)し、踏切事故件数等の減少が見られる一方、依然として事故・渋滞が多数発生していることや、平成28年法改正により指定数は大幅に増加し、対策も一定程度進捗したものの、開かずの踏切など抜本的な対策が必要なものが多く未指定として残っており対策の長期化により従来の5年間の指定年限では指定しづらくなっていることから、指定年限を撤廃・恒久化し、交通安全基本計画等の国の5ヶ年計画と連動して、優先順位等を勘案しつつ、指定していくこととしました。
  • 改良の方法の拡充
    更なる改良の促進のため、従来の対策(立体交差化、構造の改良、歩行者等立体横断施設の整備、保安設備の整備等)に加え、踏切道の周辺における迂回路等(踏切道密接関連道路)の整備や駅改札口の追加を改良方法に位置付けたほか、踏切遮断中の歩行者滞留スペースを確保するための沿道民地の所有者等との協定制度を創設するなど、踏切道の改良方法を拡充しました。
  • 改良後の評価の実施
    5年間の指定年限を撤廃し、恒久化したことに加え、踏切道を取り巻く状況は常に変化することなどにも鑑みると、改良の実施後の踏切道の交通量等の状況について適切に評価・検証し、必要に応じて追加的な対策を講ずるなど、踏切道の改良についてPDCAサイクルを強化する必要があるため、道路管理者・鉄道事業者による改良後の評価を導入しました。
  • 災害時の管理方法を定めるべき踏切道の指定制度の創設
    平成30年6月大阪北部地震の際に、列車の駅間停止等により、多数の踏切道において長時間の遮断が発生し、救急救命活動等に大きな支障が生じたことを受け、災害時の円滑な避難や緊急輸送を確保するため、国土交通大臣が指定した踏切道について、道路管理者・鉄道事業者が、災害時に踏切道を開放するまでの手順、関係機関への連絡体制等をあらかじめ決定するよう義務付けする「災害時の管理の方法を定めるべき踏切道」を指定する制度を創設しました。

04a

図4-1 踏切道改良促進法の一部改正概要

04b

図4-2 踏切道改良促進法の改正スキーム

04c

図4-3 災害時の管理の方法を定めるべき踏切道の指定制度の創設

4-3 改良すべき踏切道の指定

  • 踏切道改良促進法に基づき、「改良すべき踏切道」として、令和3年度以降、全国649箇所(R3.4:93箇所、R4.1:63箇所、R4.12:85箇所、R6.1:408箇所)を指定しています。(平成28年度~令和2年度は全国1,180箇所を指定)。
  • これらの箇所においては、法の規定に基づき、立体交差化や拡幅等の対策に加え、周辺迂回路の整備などの面的・総合的対策や踏切道のバリアフリー化など、地域の実情に応じた幅広い踏切道対策が検討・実施されることとなります。
  • 今後も、指定踏切道の対策を促進するとともに、残る課題のある踏切等について、順次、指定に向けた検討を行ってまいります。

■開かずの踏切
 (東京都世田谷区)

04f
  • 自動車や歩行者等の交通量が多く、「開かずの踏切」でもあり、著しい渋滞が発生。
  • 自動車と歩行者の接触事故も発生。

■自動車・歩行者ボトルネック踏切
 (神奈川県横浜市)

04g
  • 自動車や歩行者等の交通量が多く、「自動車ボトルネック踏切」、「歩行者ボトルネック踏切」。 また、「開かずの踏切」でもあり、著しい渋滞が発生。

■地域で課題となっている踏切
 (富山県高岡市)

04h
  • 通学路に指定されているが、幅員が狭小で、踏切内の安全な歩行が確保されていない。

図4-4 課題がある踏切道の例

記者発表資料

令和3年度~

第1弾指定
令和3年4月13日
改正踏切道改良促進法に基づき、改良すべき踏切道について第一弾指定を行いました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001442.html
第2弾指定
令和4年1月21日
改良すべき踏切道 63 箇所を新たに指定し、踏切道対策を進めます。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001512.html
第3弾指定
令和4年12月16日
改良すべき踏切道 85 箇所を新たに指定し、踏切道対策を進めます。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001616.html
第4弾指定
令和6年1月18日
改良すべき踏切道 408 箇所を新たに指定し、踏切道対策を進めます。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001745.html

平成28年度~令和2年度

第1弾指定
平成28年4月12日
改正踏切道改良促進法に基づき、改良すべき踏切道について国土交通大臣の指定を行いました
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000654.html
第2弾指定
平成29年1月27日
改正踏切道改良促進法に基づき、改良すべき踏切道について国土交通大臣の第二弾指定を行いました
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000799.html
第3弾指定
平成30年1月19日
国土交通大臣が改良すべき踏切道237箇所を追加指定!
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000933.html
第4弾指定
平成31年2月8日
改良すべき踏切道の指定(第4弾)新たに176箇所を追加、合計1,000箇所になりました
~地域の実情に応じた幅広い踏切道対策を推進~
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001131.html
第5弾指定
令和元年12月25日
改良すべき踏切道の指定(第5弾)新たに129箇所を追加、合計1,129箇所になりました
~地域の実情に応じた幅広い踏切道対策を推進~
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001272.html
第6弾指定
令和2年6月24日
改良すべき踏切道の指定(第6弾)新たに51箇所を追加
~平成28年度からの5年間で全国1,180箇所を指定~
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001333.html

表4-1 改良すべき踏切道の指定数(令和6年1月末時点)

都道府県 旧法 新法  
第1弾 第2弾 第3弾 第4弾
北海道 14 1 0 0 0 1
青森県 6 3 2 1 0 0
岩手県 7 1 0 0 1 0
宮城県 3 4 1 0 0 3
秋田県 5 2 0 1 1 0
山形県 3 2 0 0 0 2
福島県 4 1 1 0 0 0
茨城県 11 7 1 3 1 2
栃木県 21 8 1 1 2 4
群馬県 18 6 0 0 1 5
埼玉県 93 34 3 4 4 23
千葉県 45 25 11 1 2 11
東京都 133 85 15 1 22 47
神奈川県 66 61 1 2 8 50
山梨県 5 0 0 0 0 0
長野県 11 8 1 1 0 6
都道府県 旧法 新法  
第1弾 第2弾 第3弾 第4弾
新潟県 17 2 1 1 0 0
富山県 20 7 2 0 0 5
石川県 3 0 0 0 0 0
岐阜県 14 23 9 0 3 11
静岡県 39 13 0 1 3 9
愛知県 101 33 14 2 7 10
三重県 29 8 1 0 1 6
福井県 8 1 0 1 0 0
滋賀県 12 19 0 11 0 8
京都府 44 68 1 4 0 63
大阪府 169 88 5 2 7 74
兵庫県 103 32 11 11 3 7
奈良県 37 17 0 3 3 11
和歌山県 18 10 4 0 2 4
鳥取県 7 0 0 0 0 0
島根県 5 1 0 1 0 0
都道府県 旧法 新法  
第1弾 第2弾 第3弾 第4弾
岡山県 7 0 0 0 0 0
広島県 30 10 3 0 0 7
山口県 10 2 1 0 0 1
徳島県 5 7 1 3 0 3
香川県 3 11 1 2 3 5
愛媛県 9 11 1 1 2 7
高知県 3 0 0 0 0 0
福岡県 28 23 0 0 3 20
佐賀県 5 2 0 0 0 2
長崎県 4 5 0 3 2 0
熊本県 1 6 0 2 3 1
大分県 1 1 1 0 0 0
宮崎県 3 0 0 0 0 0
鹿児島県 0 1 0 0 1 0
沖縄県 - - - - - -
合計 1,180 649 93 63 85 408

※旧法:平成28年度~令和2年度

※新法:令和3年度~

4-4 法指定から踏切道の改良実施までの手続きの流れ

04e

図4-4 法指定から踏切道の改良実施までの手続きの流れ

4-5 災害時の管理の方法を定めるべき踏切道の指定

  • 改正踏切道改良促進法に基づき、全国469箇所(R3.6:181箇所、R4.7:191箇所、R4.8:97箇所)の「災害時の管理の方法を定めるべき踏切道」を指定しています。
  • これらの指定された「災害時の管理の方法を定めるべき踏切道」においては、法の規定に基づき、警察・消防などの関係機関との連絡体制、優先的に開放する手順及び定期的な訓練の実施等に係る災害時の管理方法を策定することとなります。
  • 今後も、令和7年度までの5ヶ年間で約500箇所の踏切道の指定及び管理方法の策定を目指し、災害時の適確な管理の促進を図ってまいります。

記者発表資料

令和3年度~

令和3年度指定
令和3年6月30日
災害時の管理の方法を定めるべき踏切道を初めて指定しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001466.html
令和4年度指定
令和4年7月29日
災害時の管理の方法を定めるべき踏切道を追加で指定しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001572.html
令和5年度指定
令和5年8月23日
災害時の管理の方法を定めるべき踏切道を追加で指定しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001690.html

表4-2 災害時の管理の方法を定めるべき踏切道の指定数(令和5年8月末時点)

都道府県 指定数  
R3d R4d R5d
北海道 0 0 0 0
青森県 10 0 7 3
岩手県 1 0 0 1
宮城県 0 0 0 0
秋田県 0 0 0 0
山形県 0 0 0 0
福島県 14 6 4 4
茨城県 7 1 6 0
栃木県 0 0 0 0
群馬県 10 0 6 4
埼玉県 19 5 0 14
千葉県 20 8 11 1
東京都 39 33 6 0
神奈川県 21 7 9 5
山梨県 0 0 0 0
長野県 5 0 3 2
都道府県 指定数  
R3d R4d R5d
新潟県 12 0 12 0
富山県 3 3 0 0
石川県 6 0 6 0
岐阜県 37 6 28 3
静岡県 28 6 13 9
愛知県 15 12 0 3
三重県 15 3 3 9
福井県 2 1 1 0
滋賀県 45 22 6 17
京都府 11 6 4 1
大阪府 42 15 27 0
兵庫県 11 4 1 6
奈良県 11 7 3 1
和歌山県 0 0 0 0
鳥取県 5 4 1 0
島根県 1 0 0 1
都道府県 指定数  
R3d R4d R5d
岡山県 1 1 0 0
広島県 7 5 0 2
山口県 4 1 0 3
徳島県 0 0 0 0
香川県 9 6 3 0
愛媛県 5 5 0 0
高知県 0 0 0 0
福岡県 46 12 31 3
佐賀県 3 1 0 2
長崎県 3 0 0 3
熊本県 0 0 0 0
大分県 1 1 0 0
宮崎県 0 0 0 0
鹿児島県 0 0 0 0
沖縄県 - - - -
合計 469 181 191 97

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