第2節 地域別にみた人口の将来推計
 
 次に国内の地域における人口の動きを見てみると、国内での今後の人口減少の進行は地域的に見て決して均等ではない。こうした人口偏在が起こるのは、高度成長期の生産年齢層の移動による地域ごとの年齢構成のゆがみが今後も影響を及ぼしてくるからである。
 地域的な人口減少の姿を詳細に見るため、全国に87の都市圏を設定し、これを核都市の規模に応じて(1)三大都市の都市圏(2)政令指定都市の都市圏(3)その他都市の都市圏、とそれ以外の地域である(4)非都市圏の合計4つの地域に分けることとする。
 
都市圏の設定について
 
 まず、上記4グループの人口の推移と将来推計結果を見ると、いずれの都市圏グループも時期の前後はあるものの将来的に減少局面に入り、都市規模を縮小させていく。この中で全国の動きとかなり異なった動きを示しているのが(2)の政令指定都市の都市圏(4)の非都市圏である。(2)の政令指定都市の都市圏では減少は緩やかで、平成62年(2050)時点においても現在の9割を超えると予測される。他方(4)の非都市圏においては平成62年(2050)には現在の6割程度にまで大きく減少すると予測される。その結果、全国の面積の約6割を占める非都市圏全体の平均人口密度は現在の過疎地域並みに低下し、国土の「広大なる過疎化」がもたらされると予測される。
 
都市圏グループ別人口指数の推移(1995年=100)
 
非都市圏の人口密度の推移
 
 次に都市圏を核都市と周辺部に分けて都市圏の中での人口偏在化の動きを見ると、総体として核都市部分の人口シェアが低下し、周辺部の人口シェアが拡大していくことが予測される。
 
都市圏核都市・周辺部別人口シェアの推移(1950〜2050年)
 
 さらに、三大都市の都市圏の周辺部においては人口が相対的に集中していくというだけではなく、高齢者の集中が著しいところに大きな特徴がある。高齢者の集中度を見るために、全国の高齢者数に占める三大都市の都市圏周辺部の高齢者の割合を見てみると、平成7年(1995)現在で20%程度の集中度は平成62年(2050)には30%にまで上昇し、その結果、三大都市の都市圏周辺部における高齢化率も急上昇し、平成62年(2050)には30%を超え、非都市圏の高齢化率に迫ることとなる。三大都市の都市圏の周辺部では高度成長期に生産年齢人口の流入に伴う急激な人口増加を経験したが、今後は全国的な人口減少の中で結果的に高齢者が集中する「静かなる集中」を経験すると予測される。
 
三大都市の都市圏への人口集中度の推移
 
三大都市の都市圏周辺部及び非都市圏の高齢化率推移