第4節 地域への影響
今後の人口の動きが地域に及ぼす影響は地域により様々である。
三大都市の都市圏の周辺部は、今後高齢者を中心として静かなる集中を迎え、そこに居住する主体が変化することに伴い新たな課題への対応を迫られることになると考えられる。
第一に、就業形態の多様化等により遠距離通勤する人口が減少する一方、周辺部の高齢者を中心とした昼間人口の増大が地域の社会資本への需要を増やしていくことも考えられ、従来とは質の異なる集中問題が生じる可能性がある。
第二に、子育てのための施設機能・サービスなどが次第に不必要となる一方で、高齢者が安心して余暇時間を過ごすための施設機能・サービスなどが必要となる。集中する高齢者等が住みやすく働きやすい環境という観点からは、住宅・社会資本整備は不十分であり、既存の住宅・社会資本ストックと増加する高齢居住者のミスマッチが起こる可能性がある。
広大なる過疎化が進行すると予測される非都市圏では、地域の存続も含めて厳しい状況になると予測される。現在の全国の町村の人口規模と1人当たり歳出額の関係をみると、人口規模が小さくなると急激に一人当たり歳出が増加している。今後人口規模が縮小していくに従って地方自治体の財政効率が低下していくことが懸念される。したがって、非都市圏では高齢化する住民にいかにして基礎的なサービスを効率的に提供していくかが問題となり、物流などにおける一層の効率化の努力が必要である。また、コミュニティの存続そのものが困難となるところも予想され、それを維持していく上で、近年ますます活発になりつつある交流の役割が注目される。
