第2節 住宅・社会資本の役割
こうした環境づくりを志向するため住宅・社会資本として今後重視していくことは、
1 住宅・社会資本の機能の再編成すること
2 都市の集積による活力の維持と都市の魅力を高めること
3 循環型社会の構築や交流の維持拡大を支援すること
などである。以下ではこれらの観点から順次考えてみることとする。
この場合に注意すべきことは、我が国においては人口の増加から減少への変化が急速であるため、上記のような個人の活動の量的・質的拡大を図る施策と同時に、子育て支援について継続的な施策を取ることが重要な点である。政府部内においては平成6年12月に「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について(エンゼルプラン)」をまとめ、社会全体の子育てに対する機運を醸成するとともに子育て施策を総合的・計画的に推進している。建設省としてもエンゼルプランの中で、
(1)良質なファミリー向け住宅の供給
(2)仕事と子育ての両立、家庭の団らんのためのゆとりある住生活の実現
(3)子供の遊び場、安全な生活環境等の整備
の観点から各種の施策を講じている。こうした子育て支援により、結果的に社会の急速な変化の影響が緩和される可能性もあると考えられる。
このように、登り坂を逆手に利用する施策と登り坂を緩くする施策を両面から行っていく必要がある。
