第2 国土建設施策の動向
 
1 環境政策の展開
 
 
1.「環境」の内部目的化と21世紀へ向けた環境への取組
 
 建設省では、環境基本法の基本理念等を踏まえて策定された「環境政策大綱」に基づき、環境を内部目的化を目標として、21世紀初頭を視野におき、環境施策を推進してきた。その結果として、河川法の目的に「河川環境の整備と保全」が位置付けられ、自然との調和・共生を目指した道路整備など大綱策定当時は先導的な整備手法であったものが今日では標準的な整備手法として定着するなど着実な成果を挙げてきている。
 しかしながら、大綱の策定以降、地球温暖化等の地球環境問題の深刻化、廃棄物問題の深刻化、ダイオキシン類やいわゆる環境ホルモン等の化学物質による新たな環境問題の顕在化、循環型社会形成の基本となる「循環型社会形成推進基本法」の制定など環境をめぐる状況は大きく変化している。このような環境をめぐる情勢の変化等を踏まえ、国土交通省への再編を視野に入れつつ、環境の視点からの住宅・社会資本整備・管理等の在り方に関して有識者から幅広く御意見をいただくために、建設大臣の私的諮問機関として「国土と環境を考える委員会」を設置したところである。
 
2.平成11年度、12年度の主要施策
 
 地球温暖化対策については、平成10年6月に決定された「地球温暖化対策推進大綱」に基づき、住宅・建築物の省エネルギー化等の推進、自動車交通に関するエネルギー効率の向上、二酸化炭素排出の少ない都市・地域構造の形成、都市緑化の推進等の諸施策を一層強力に推進することとしている。
 各事業の実施に当たっては、環境影響評価法に基づき、適切な環境影響評価の実施に努めるとともに、すぐれた自然環境をできるだけ保全し、環境への影響の回避、軽減、解消に努めるほか、再自然化などのミティゲーションも積極的に推進している。
 循環型社会の形成に向け、平成9年10月に建設リサイクル推進計画'97を策定し、建設副産物の発生抑制、リサイクルの促進及び適正処理の推進を図るための具体的な施策を実施しているところである。さらに、建設工事に伴う廃棄物の適正な分別・リサイクルを推進するため、建築物等に係る分別解体等及び再資源化等の義務付けや解体工事業者の登録制度を創設することなどを内容とする「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が制定された。
 このほか、ダイオキシン問題、内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)問題への対応や沿道環境改善のへの取組など各般の施策の着実な推進に努めている。
 
 
 
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