2 高度情報化の推進
 
 
1.国土づくりにおける高度情報化
 
 インターネットや携帯情報端末の普及等に見られるように、経済・社会の諸分野におけるネットワーク化が急速に進展しているが、政府としても、経済構造改革の達成、真のゆとりと豊かさを実感できる国民生活、多様なライフサイクルの実現と新たなコミュニティの形成等に向けて、高度情報通信社会の構築を一層強力に推進することとされている。
 建設省においても、より質の高い生活の実現、国土の均衡ある発展、経済社会の発展基盤の形成を図るためには、全国的な光ファイバネットワークの形成をはじめとした情報通信インフラの整備が極めて重要な課題であるとの認識から、平成8年7月に、マルチメディア社会の推進に向けた基本的な考え方や施策展開の方向についてとりまとめた「マルチメディア社会推進に向けて(中間とりまとめ)」を策定するとともに、平成9年7月には、公共施設管理用光ファイバ等情報通信ネットワークの整備、その経済効果及び民間通信事業者との関係等について「建設省情報通信ネットワークビジョン」をとりまとめた。
 これらに基づく、光ファイバネットワーク及び光ファイバ等収容空間の整備・活用は、ITS(高度道路交通システム)、総合防災情報システム等の高度な行政サービスの提供や、公共施設における管理費用縮減等の業務の効率化、さらには安全で快適な通行空間の確保等に資するとともに、地域の活性化、豊かな国民生活の実現にもつながるものと期待される。
 建設省は今後も、道路・河川・下水道管理用光ファイバ網及び収容空間の整備とともに、建設省専用通信網やGPS(汎地球測位システム)を活用した防災分野の情報化、GIS(地理情報システム)の整備、ITSの導入等による道路・交通分野の情報化、社会情報インフラの普及を念頭に置いた住宅分野の情報化等を推進することとしている。
 
2.建設行政の情報化
 
(1)建設行政の情報化の計画的推進
 行政の情報化については、「行政情報化推進基本計画」(平成6年12月25日閣議決定)に基づき政府全体で総合的・計画的に推進してきたところであるが、その後、整備された情報通信基盤の活用を図るとともに、インターネットの急速な普及等社会の情報化に進展に合わせた行政の情報化の推進を図り、また、国民負担軽減等の要請に的確に対応するため、平成9年12月20日に「行政情報化推進基本計画の改定について」が閣議決定された。
 建設省では、政府の基本計画を踏まえ、建設行政の情報化を推進するための指針として「建設省行政情報化推進計画」を策定、さらに平成10年5月28日に同計画を改定し、現在、これに基づいて、「建設本省LANシステム」の管理・運営の充実等を図るとともに、「省庁間電子文書交換システム」や「総合的文書管理システム」の整備・運用、許認可等申請手続きの電子化に係る実施計画のフォローアップ等を行い、建設行政の情報化を推進している。
 
(2)建設省専用通信網、高度情報通信システムの整備の推進
 国土マネジメントの観点から、情報化による施設管理の効率化、高度化が推進されており、施設管理に係るデータ系通信の利用が増大し、利用形態も多様化している。また、大規模地震や各種災害に対して、その初期における情報収集(特に現地画像情報)、現地との連絡体制の確立、関係機関との連携の重要性が従来にも増して認識されている。
 建設省では、これら通信需要の増大と利用形態の多様化、さらに非常災害時における通信の確保に応えるべく、マイクロ波多重無線通信回線、衛星通信回線、移動通信回線、公共施設管理用光ファイバ等により構成される建設省専用通信網の整備を推進し、また建設省専用通信網をメディアとして各種情報収集・処理・提供装置等を有機的に統合した高度情報通信システムの整備を推進する。さらに、建設省専用通信網を幹線ネットワークとし、建設省、官邸、国土庁等の中央の防災機関、都道府県及び公団等の関係機関を結ぶ総合防災情報ネットワークの強化・拡充を推進する。
 
3.情報セキュリティ対策の推進
 
 近時の政府機関のホームページ改ざん事案等を契機とし、早急に、官民挙げて、安全なネットワーク社会の構築に取り組むべきとの認識から、平成12年2月29日、高度情報通信社会推進本部に情報セキュリティ対策推進会議が設置されたことを受け、建設省としても、同5月12日、建設省情報セキュリティ対策推進本部を設置した。今後、情報セキュリティ対策を徹底するとともに、建設省における情報セキュリティポリシー(危機管理計画)(仮称)を策定するなどして対策を推進することとしている。
 
 
 
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