3 社会資本整備における効率性・透明性の追求

 公共事業は国民からの税金等の負担により賄われているものであり、社会資本の利用者である国民の満足を得られるようなサービスを提供することが最重要課題となってくる。
 公共事業には、必要性の低いものもあり、いわゆるバラマキになっているとの批判もあるが、上に述べたように公共投資のマクロ的な経済効果と個別の公共事業の整備効果の議論とは別の問題であり、これらを混同して公共事業について論じることのないよう留意しなければならない。個別の公共事業の整備効果については、公共事業の効率性・透明性の向上に向けた取組みとして、後述するように、事業採択段階における費用対効果分析の活用を含む事業評価を今後とも着実に実施することなどが重要であり、また、国、地方公共団体ともに、公共工事のコスト縮減と品質確保への不断の努力や、透明性の高い公共事業の入札・契約制度の改善に引き続き取り組むことも同時に課題となってくる。一方、どの事業を採択していくのかについても、国民の納得が得られる形で説明をする責任(アカウンタビリティ)を全うすることとともに、国民に対してのコミュニケーションを促進することも必要となってくる。これらの前提として、国民の判断と行政への信頼の基となる情報を可能な限り適切に公開することも忘れてはならない。また、PFIの手法を活用することにより、財政資金の効率的使用を図りつつ、より国民のニーズに効率的に応えることも今後重要となってくる。