(建設産業における業界横断的なITへの取組事例)

以下に業界横断的なITの推進による産業の活性化について紹介する。

〈CI-NET〉
 CI-NET(Construction Industry NET work)とは、標準化された方法でコンピュータ・ネットワークを利用し、建設生産に関わる様々な企業間の情報交換を実現することで、日常業務の生産性の向上、情報化投資の効率化を図ることを目的としている。CI-NETは、国内産業の情報化を促進するため、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて、建設産業における標準EDIとして認定されており、(財)建設業振興基金建設産業情報化推進センターにおいて運営している。また、国内全産業のEDIとの互換性や国際的なビジネス・プロトコル(データの伝送方法や標準形式等を規定)にも配慮した形式となっている。
 近年では、パソコンの低価格化・高性能化、インターネットの急速な普及により、分かりやすく実用的で簡易なEDIツールを開発し、電子メール方式による企業間での情報の交換を目指している。

〈建設CALS/EC〉
 建設CALS(Continuous Acquisition and Life-cycle Support)/EC(Electronic Commerce)は、平成8年1月にWTO政府調達協定が発効し国際的にオープンな調達を実施することが求められ、また国内でも公共事業のコスト縮減を行うことが要請される中で、公共事業の執行過程を電子的に行い、事業の効率化、迅速化を図ることを目的として構想されたものである。平成16年(2004年)には建設省直轄事業に全面的に電子入札システムを導入すること等を目標とし、現在ではそれに向かった段階的な試行が続いている(図表2-3-13)。

〈KISS〉
 KISS(Kenzai Information Service System)は(社)日本建材産業協会が運用する建材に関する情報を集大成したホームページである。これは、建材メーカー各社が建材に関する最新・詳細情報を提供したものを一覧・検索できるようにすることで、設計事務所や建設会社などの建材のユーザーがインターネットを介してこれらの情報を即座に入手できるようにしたものである。このシステムを通じて、建材メーカー各社はビジネス・チャンスの拡大、建材のユーザーとしてはタイムリーな建材情報の入手や各建材メーカーの持つ建材に関する情報の比較検討が容易にでき、設計業務の効率化、コスト削減を図ることが期待される。KISSは建材産業情報化を目指して平成8年より検討が始まり、平成12年4月13日より運営が開始されている(http://www.jkiss.or.jp/)(図表2-3-14)。

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