(土砂災害防止法)
平成11年6月の広島県を中心とした激甚な土砂災害の発生に鑑み、建設省は建設省防災国土管理推進本部のもとに、その恒久的な施策のあり方を検討するため、「総合的な土砂災害対策に関するプロジェクトチーム」を設置し、土砂災害防止のための総合的な対策に関する法制度の整備や支援措置について検討を行った。この検討結果を踏まえ、建設大臣は、土砂災害のおそれのある区域への住宅等の立地抑制等に関する法制度を中心に、総合的な土砂災害対策のための法制度のあり方について河川審議会に諮問し、本審議会より土砂災害の危険箇所が増加傾向にあることから、土砂災害が生じるおそれのある区域を明らかにし、住民への周知徹底を図るとともに、新規立地規制や建築物の安全の確保のための措置を講じることなどの答申がなされた。
この答申を受け、建設省は、1)土砂災害のおそれがある区域を「土砂災害警戒区域」として指定し、警戒避難体制を整備する、2)土砂災害警戒区域のうち建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域を「土砂災害特別警戒区域」として指定し、一定の開発行為の制限・居室を有する建築物の構造規制、土砂災害時に著しい損壊が生じる建築物に対する移転等の勧告及び勧告による移転者への融資・資金の確保等を内容とする「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」を国会に提出し、平成12年4月27日に成立した。同年5月8日に公布され、平成13年4月1日に施行される(図表3-3-11)。
