コンクリート構造物の耐久性向上に関する取組み

 トンネル等のコンクリート剥落事故をきっかけに、コンクリート構造物の劣化問題が大きくマスコミにも取り上げられました。コンクリートはメンテナンス・フリーの材料と思われていましたが、この事故は、コンクリート構造物の耐久性を改めて問うものでした。
 このため、コンクリート構造物の信頼性を確保し、耐久性を向上させるために、建設省、運輸省、農林水産省により委員会を設置し検討を進めてきました。
 委員会では、全国のコンクリート構造物の実態調査を行いましたが、その結果では、「追跡調査を必要とする程度以上に劣化している構造物が5%あるが、著しい劣化により耐荷力が問題となる構造物はなかった」としています。
 また委員会の提言では、コンクリートの剥落による第三者被害の防止や耐久性向上のために、設計・施工等に関する基準類の性能規定化、水セメント比の制限値の明示、新材料の活用、構造物の重要度に応じた検査頻度等を定めたマニュアルの整備及び維持管理を適切に行うための構造物毎の台帳のデータベース化等について述べています。
 本提言を受け、建設省では具体的な取組みに着手しており、鋭意対策を進めて行くこととしています。

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