(23)開発許可制度の適切な運用等
イ 開発許可制度の適切な運用
民間による宅地開発に対しては、都市計画法による開発許可制度により、スプロールを防止するとともに、良好な市街地としての水準を確保するための規制を行っている。
平成12年4月1日に施行された「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」においては、開発許可に関する事務はすべて自治事務とされるとともに、特例市への権限委譲等の措置が講じられたところである。
ロ 開発許可制度の見直し
平成12年通常国会において「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」が成立したところであり、所要の開発許可制度の改正が盛り込まれている。主な改正点は以下のとおりである。
1)一定の宅地水準の確保を目的とする開発許可の技術基準について、条例による強化又は緩和、最低敷地規模に関する規制の付加を可能にする。
2)市街化調整区域の趣旨を担保する開発許可の立地基準について、許可し得る開発行為として以下の類型を追加する。
・市街化の進行しつつある一定の区域における周辺の土地利用と調和した建築物の建築を目的とする開発行為
・個別に開発審査会の審議を経ていた開発行為のうち、実務の積み重ねにより定型的に処理できるものとしてあらかじめ条例で定めたもの
3)都市計画区域外における一定規模以上の開発行為について、開発許可制度を適用する。
ハ 宅地開発等指導要綱の適正な見直し
地方公共団体がその独自の判断により制定、運用している宅地開発等指導要綱については、良好な都市環境の整備を図る上で一定の役割を果たしてきたものの、一部には宅地開発事業者に過大な負担を課し、開発意欲を減退させるとともに、宅地コストを引き上げる一因となり、良質かつ低廉な住宅宅地供給の促進にとって支障となっているものがあるとの指摘が従来よりなされていたところである。
このため、昭和58年8月には関連公共公益施設の整備等の水準、近隣住民との調整を中心に当面明らかに行き過ぎと認められる事項について「宅地開発等指導要綱に関する措置方針」をとりまとめたほか、平成7年11月には「宅地開発等指導要綱の見直しに関する指針」を都道府県知事等あて通達し、必要性・合理性・透明性に基づいた指導要綱の適切な見直しを指導したところである。さらに、自治省と共同で平成9年12月1日現在における全国の市区町村の指導要綱の見直し状況調査を行った上で、平成10年9月に再度、指導要綱の行き過ぎ是正を指導したところであり、多くの地方公共団体で指導要綱の見直しが進められているところである。