(8)土砂災害に関する国際的取組み
国内だけでなく、新たな河川行政の展開に向けて、土砂に関する国際的取組みも行われており、インドネシア、ネパール、フィリピン、ヴェネズエラ、ホンデュラス、イラン等に土砂・火山災害対策を目的とした専門家・調査団の派遣等を行っている。
このうち、インドネシアについては、国際協力事業団を通じ昭和45年から長期専門家を派遣するとともに、昭和57年からは火山砂防技術センタープロジェクトを開始し、その後平成4年から平成9年まで砂防技術センタープロジェクトを実施してきた。平成11年度においては、火山地域等の土砂災害の防止や地域の振興を図るための人材育成等に関するプロジェクト方式の技術協力を開始するための事前調査団を派遣しているところである。
ネパールについては、昭和52年にネパール政府からの要請により、国際協力事業団を通じ長期専門家等を派遣するとともに平成3年から平成11年までネパール治水砂防技術センタープロジェクトを実施してきた。平成11年9月1日からは5年間の予定で地域防災モデル事業の構築、災害復旧モデルの構築等を旨とした自然災害軽減支援プロジェクトが開始されている。
フィリピンについては、平成11年10月19日〜23日にかけて、「’99火山砂防フォーラム」が実施された。また、平成12年1月より治水砂防技術強化プロジェクトが開始されたところである。
ヴェネズエラについては、平成11年12月末からの降雨により土砂災害等が発生し、死者5万人、被災者33万人以上のヴェネズエラ史上最悪の災害が発生した。ヴェネズエラ政府の要請に伴い、土砂災害対策の専門家4名を派遣し、応急・緊急復旧計画の立案への指導等を実施した。さらに詳細な復旧計画策定等を目的に二次調査団を平成12年4月に派遣したところである。
その他技術交流会議については、日伊科学技術協力協定に基づく土砂災害防止のための技術交流会議として「第1回日伊土砂災害防止技術会議」が、平成11年11月1日〜4日東京都内、鹿児島県において実施された。第1回会議では実施取決め署名、基調講演、討論等が行われた。第2回会議については、平成12年イタリアにおいて開催を検討中である。