環状道路新時代
〜都市構造再編に向けて〜
都市には、人・モノ・情報などが集中している結果、都市機能が停滞しています。これにより、交通面では混雑時の自動車の平均速度は、東京23区内では19q/h(平成9年道路交通情勢調査)とマラソンランナー並みまで低下しています。
このため、建設省では都心部に集中する交通を分散・導入させ、都心に起終点をもたない交通を迂回させるなど、交通渋滞を緩和させる効果が非常に高い環状道路の整備を重点的に進めています。
一方、道路の機能は多岐に渡り、単に交通機能面のみならず、空間機能や市街地を誘導する機能、国土や都市の骨格を形成する機能も有しています。
例えば、首都圏においては、首都圏中央連絡自動車道や東京外かく環状道路などの環状道路の整備により、環状方向に地域の生活や諸活動の拠点となる都市が帯状に連旦する「環状拠点都市群」の育成・整備が促進され、東京中心部への一極依存構造から、東京中心との適切な役割分担が図られる分散型ネットワーク構造へと都市構造が再編され、適切な都市機能の維持が図られます。
