増え続ける土砂災害危険箇所
〜ハード対策と併せたソフト対策の充実〜
平成11年6月末の梅雨前線豪雨により、広島市、呉市を中心に土石流災害、がけ崩れ災害が多発し、死者24名等の被害が発生しました。広島市及び呉市は、周囲を山地に囲まれているため宅地開発が進むにつれ、山裾へと住宅地が広がっています。これに伴い土砂災害危険箇所数も増え続けています。(写真参照)
この傾向は国土の4分の3を山地が占める日本の各地で見られるものです。土砂災害危険箇所は全国で約17万7,000ヶ所存在し、昭和47年の約10万ヶ所と比べ、20年あまりの間に大きく増加しています。
しかしながら、土砂災害からの国民の生命及び身体等に対する安全を確保するために行っている土砂災害防止工事のハード対策による危険箇所の整備水準は約20%にとどまっており、危険箇所のすべてを土砂災害防止工事により安全にしていくためには莫大な時間と費用を必要とします。
このため建設省は、土砂災害のおそれのある区域を土砂災害警戒区域に指定して警戒避難体制の整備を図り、土砂災害により著しい危害が生じるおそれのある区域を土砂災害特別警戒区域に指定して住宅等の新規立地抑制や既存住宅の移転等を行うことを内容とする「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」を国会に提出しました。
本法律は、平成12年5月8日に公布されており、平成13年4月1日より施行されます。

