3.安全問題

(1)交通安全問題の顕在化

 戦後の社会資本整備等の施策により、自然災害による被害が軽減されるなど、国民の安全水準は高まったが、他方で、経済活動の発展に伴う交通量の増大は人々の生活に新たなリスクをもたらした。
 道路交通の分野では、交通量の急激な増大に伴い道路交通事故が大幅に増加し、「交通戦争」とまで呼ばれる状況にまで発展した。これに対して国土交通行政も様々な対策を講じ、交通事故による死者数や単位交通量当たりの死傷者数が長期的に減少する等一定の成果を収めている。しかしながら、最近においても死傷者の絶対数は増加しており、今後は交通死亡事故比率の高い高齢者人口の増加が見込まれることから、さらなる対策の推進が必要である。
 一方、鉄道交通、海上交通、航空交通の分野では、国土交通行政と交通事業者等が一丸となった対策を講じてきた結果、事故発生件数、死者数とも長期的に減少している。しかし、大量輸送機関の交通事故は一度発生すると多大な被害をもたらすものであり、引き続き事故の防止に万全を期す必要がある。

図表I-2-29 各交通機関における事故数等の推移

自動車走行キロ当たりの交通事故死傷者数の推移(昭和41年を100とする)
自動車走行キロ当たりの交通事故死傷者数の推移(昭和41年を100とする)



鉄軌道運転事故件数と死者数の推移
鉄軌道運転事故件数と死者数の推移



要救助船舶隻数及び死亡・行方不明者数の推移
要救助船舶隻数及び死亡・行方不明者数の推移



航空事故件数と死者数の推移
航空事故件数と死者数の推移



 

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