3.地球規模で深刻化する環境問題

 20世紀の終盤以来、地球環境問題の顕在化等により環境問題は拡大・深化の様相を呈してきた。
 まず、ほぼ全ての社会経済活動により発生する二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガス濃度が上昇することによって引き起こされる地球温暖化問題については、第II部第4章で述べるとおり、あらゆる対策に取り組む等、1997年に採択された京都議定書の2002年発効に向けた動きが現在本格化している。
 同議定書により求められている我が国としての温室効果ガス排出量削減のため、国土交通省においては、運輸部門におけるCO2排出量削減や、民生部門のうち大きな割合を占める住宅・建築物分野の省エネルギーの取組み、代替フロンの排出削減等を推進する必要がある。

 
図表I-2-43 二酸化炭素の部門別排出量(炭素換算)の推移
図表I-2-43 二酸化炭素の部門別排出量(炭素換算)の推移



 また、海洋汚染に関しては、タンカー事故の大規模化に加え、有害な船底塗料の使用や船舶のバラスト水に混入して移動する生物の問題など、問題の多様化、地球規模化が進んでいる。一方、これまでの世界的な取組みにもかかわらず依然として世界各地で発生するタンカー事故の背景として、海上安全・海洋環境保全に関する国際的な基準を満たさない船舶(いわゆるサブ・スタンダード船)の存在がクローズ・アップされており、さらなる国際的な取組みの強化に向けての働きかけが必要となっている。
 さらに、廃棄物の発生量抑制やリサイクルの促進が必要であり、国土交通分野においても、循環型社会の構築に向けた取組みが必要となっている。

 

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