6.IT革命の進展

 IT(Information Technology、情報通信技術)革命は、従来では考えられなかった大量の情報の高速の伝達・処理と、個々人や個別貨物を特定し、認識した上での広範なネットワーク化された情報通信を可能とする。これによって行政や企業のあり方から人々の日常生活まで、地球規模で大きな変革をもたらしつつある。
 現在、世界的にはIT産業は調整局面に入ったという見方もなされているが、それは爆発的に成長を遂げたIT産業が適正規模へと再構築されているということであり、ITの持つ潜在的な社会変革能力は依然大きいと考えられる。今後ITはますます基礎的なインフラとして役割を増していくと考えられ、IT革命を推進することは、21世紀における国家の競争力を確保するためには不可欠なものとなる。
 我が国は、ITの活用が他の国々に比べ遅れている分野も多く、現在政府全体を挙げてIT革命の戦略的推進が行われているところである。国土交通行政も、高速・超高速インターネットの普及促進のためのインフラ整備や公共交通の情報化、ITSやGISの推進等、IT革命において重要な分野を多く担当しており、積極的な対応を進めているところである。

図表I-2-46 インターネット普及率25%以上の国及び地域
図表I-2-46 インターネット普及率25%以上の国及び地域



 加えて交通は、需要管理、運行、インフラの維持管理などハード、ソフトが組み合わさった総合的なシステムであり、もともと情報通信システムが安全運行や定時性の確保、高速運行等の分野で不可欠な役割を果たしてきており、今後とも日々発展するITを活用して、その質的発展を目指すこととなる。

 

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