(2)公共事業の配分

  前章でみたように、公共投資の目的別シェアは、時代の変化や国民のニーズを反映して、国民の安全を守る基盤や産業基盤から、より豊かな生活を実現するための生活基盤へと、長期的には大きく変動してきた。一方、道路、港湾等の事業分野ごとのシェアが固定しているとの指摘については、同じ事業分野であっても、情報化への対応、環境問題への対応、少子高齢社会への対応など、新たな課題への対応に重点を置き、事業の内容は変動している。また、公共事業の地域配分が地方に偏っているとの指摘については、例えば空港整備、市街地整備、住宅対策といった事業は、投資額の半分以上が三大都市圏に投じられているなど、地域のニーズに応じてメリハリをつけてきているといえる。なお、「中期展望」においては、「これまでの整備の進展度、整備の緊急性、経済社会の中長期的な変化、国民のニーズの変化等を踏まえ、真に必要な分野に投資を集中する。」「地域間の予備配分については、弾力的な配分を行う」とされている。今後、国土交通省としても、事業の重点化等を一層推進するととともに、地方整備局等を中心により地域密着型の社会資本整備を進めることにより、地方の自立性向上にも配慮しつつ、さらに的確に地域のニーズに応えていく必要がある。

図表I-3-6 三大都市圏で行われている事業の割合
図表I-3-6 三大都市圏で行われている事業の割合



 

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