(3)長期計画・資金調達等のあり方

 社会資本整備プロジェクトは、長期間を要するものが多く、ストック効果が効率的に発現するよう、計画的かつ着実に事業を進めることが必要である。また、どのような整備が行われるか、将来の整備後の社会資本の姿について、国民にわかりやすく示していくことも重要である。
 こうした観点から、公共事業を進めるに当たって、社会資本整備の長期計画は、現在も一定の意義を有するものといえる。
 一方で、長期計画によって、経済社会の変化等を迅速に事業に反映することが困難になっているという面がある。長期計画については、これまでもその時代において重要な政策課題を取り入れてきたが、「改革と展望」も踏まえ、抜本的な見直しを図る必要がある。
 なお、道路特定財源制度は、受益者負担の原則に基づき、自動車利用者が利用に応じて道路の整備費を負担する制度である。道路特定財源諸税には、現在、道路整備に充てるため、本則税率より高い暫定税率が設定されており、揮発油税自動車重量税では2倍以上となっている。特定財源については、「基本方針」では「税収を、対応する特定のサービスに要する費用の財源に充てることが、一定の合理性を持ちうるとしても、他方、そのような税収の使途を特定することは、資源の適正な配分を歪め、財政の硬直化を招く傾向がある」とされている。他方、財政の硬直性は歳出全体の問題という側面もあり、実際にも、長期的には道路特定財源税収が増加してきたのに対して、公共事業全体における道路整備費のシェアは減少してきている。

 

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