3.国土交通省における公共事業改革への取組み〜21世紀型社会資本整備への転換〜

(1)改革に取り組む決意と改革の基本理念

 前章でみたとおり、21世紀に国土交通省が対応すべき課題は山積している。その解決のための社会資本整備は、依然として不可欠である。一方、投資余力が減少し、財政状況が悪化するなど、右肩上がりで公共投資を進めることは困難な状況となっている。加えて、今後、既存ストックの維持や更新に、これまで以上の資源を振り向けなければならない。
 こうした中、国全体の一般公共事業の約8割を担い、社会資本整備に大きな責任を負っている国土交通省の責任を全うするためには、広く国民と意見交換を行いながら、限られた資源で、最大限の効果をもたらすよう、社会資本整備のあり方を抜本的に改革することが不可欠である。
 国土交通省では13年6月に「21世紀国土交通のグランドデザイン(案)を公表し、今後の社会資本整備等のあり方について国民に問いかけを行った。また、12年の公共事業の抜本的見直し、入札契約適正化法の制定・運用など、これまでも公共事業に対する国民の信頼回復に取り組んできたところであるが、政府全体で聖域なき構造改革に取り組む中、公共事業についてさらに徹底的な見直しを行い、改革への取組みを一層促進・展開していく決意である。
 このため、13年6月には、「基本方針」に先立って、「国土交通省における公共事業改革への取組」(以下、「公共事業改革への取組」)をとりまとめて公表した。また、同年8月に公表した「平成14年度国土交通省重点施策」においても、「21世紀型社会資本整備への転換」と名づけて、公共事業改革の推進を強調したところである。
 これらの方針にそって、21世紀にふさわしい、真に国民のための公共事業を、
・無駄なくスピーディーに、また、コストの縮減に努め、
・地域のニーズに応じ、地方の自主性と創意工夫を尊重し、
・透明性の一層の向上により国民の信頼を得ながら、
展開している。

 

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