(2)21世紀型分野への社会資本整備の重点化

1)重点的実施の方向性
 いつまでたっても事業が完成せず、その間に、目的が時代遅れになってしまうとの批判は先にみたが、こうしたことのないよう、事業採択後長期間にわたり継続中の事業等について再評価を行い、事業の進捗の見込みが立たないもの等について中止その他の措置を的確に行うこととしている。平成12年度には、1,070ケ所について再評価を実施し、うち中止190件(注)、見直し2件となった。13年度には、14年度予算の成立に向け長期継続中の事業等約800件について再評価を実施予定であるが、13年12月末時点ではそのうち56件の再評価が完了し、中止5件(注)となっている。
 また、資源循環・自然共生型経済社会の構築、高齢化への対応等21世紀の課題に対応し、社会資本の整備を効果的に推進するため、「公共事業改革への取組」において、以下のような分野について重点的な事業実施を図ることとした。
 ・都市の再生と個性ある地域・美しい国土の形成
 ・環境にやさしい社会の実現
 ・少子高齢社会への対応
 ・グローバル化の進展に対応した人流・物流の実現
 ・安全で災害に強い国づくり

2)重点的に見直し検討を行う事業分野
 以下のような事業分野については、「公共事業改革への取組」において、重点的に見直し検討を行うこととした。なお、「平成14年度予算編成の基本方針」(13年12月4日閣議決定)においても、同様の分野について厳しく見直しを行うとされている。

・新規の都市開発事業について既成市街地の事業に重点をシフト
・小規模下水道事業について、経済性、効率性等の観点から、合併浄化槽等との分担を見直し
・大規模ダム事業について実施計画調査の新規着手を凍結。事業中ダムについて、既存ダムの有効活用を含め水需要の必要性等を厳正に吟味して事業を峻別
・高速自動車国道の未事業化区間について採算性等を精査し、整備手法を見直し
・公営住宅等の整備について民間借上げや、リフォーム等既存ストックを最大限活用
・新たな地方港湾の整備について抑制
・今後の地方空港の新設について離島を除き抑制

3)事業実施箇所の重点化
 新規採択案件については引き続き精査するとともに、事業の重点化を図る。

図表I-3-9 事業実施箇所の重点化の例(平成13年度までの実績)
図表I-3-9 事業実施箇所の重点化の例(平成13年度までの実績)





(注)「国庫補助中止」を含む。

 

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