第3節 都市交通システムの整備

 日本の都市では、20世紀からの負の遺産としての様々な問題が生じており、交通分野においても同様である。道路交通については、交通渋滞により毎年12兆円の損失が発生しており、自動車から排出される二酸化炭素(CO 2)や二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)等による環境問題も依然として深刻である( 第II部第4章 参照)。また、鉄道輸送についても後述するように著しい混雑が解消されるに至っていない。
 21世紀にふさわしい、豊かで快適な経済活力にも満ち溢れた都市の再生を図るためには、都市を支える基盤である交通分野において、渋滞・混雑の解消や環境の改善を推進する必要がある。このため、道路・鉄道等の交通基盤整備による交通容量拡大策とともに、既存の交通基盤を最大限に活用して交通を円滑化するための施策を講じ、都市交通の総合的な改善を図る。

 

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