(2)空港整備の推進

 空港整備においては、事業の重点化等により、一層効率的・効果的な整備を推進していく必要があり、航空ネットワークの拠点となる大都市圏拠点空港整備を最重要課題として推進していく。

1) 羽田空港の現状
 羽田空港は、国内航空交通の中心として全国46空港との間に1日約360往復(平成13年10月ダイヤ)のネットワークが形成され、国内線で年間約 5,500万人(12年度実績)の人々が利用している。
 羽田空港の首都圏における国内航空交通の中心としての機能を将来にわたって確保するとともに、航空機騒音問題の抜本的解消を図るため、昭和59年以来、東京都が造成した羽田沖廃棄物埋立地を活用し、羽田空港の沖合展開を行ってきた。第I期計画及び第II期計画はすでに完了済みであり、現在は最終段階の第III期計画にかかる事業のうち、東旅客ターミナルの整備(平成15年度末供用開始目途)を実施しているところである。
 沖合展開により、羽田空港の処理容量は大幅に拡大してきた。しかし、首都圏における航空需要の伸びは著しく、平成27年(2015年)頃には羽田空港の処理能力は限界に達することが予測される。

図表II-2-12 羽田空港の国内定期便発着回数
図表II-2-12 羽田空港の国内定期便発着回数


2) 羽田空港の再拡張と首都圏第3空港
 上記のような状況から、首都圏における将来の航空需要の増大に早急に対応することが必要である。このため、12年度より、学識経験者、関係地方公共団体等からなる調査検討会を開催し、羽田空港の再拡張を含め首都圏第3空港について検討を重ねてきた。
 これまで羽田空港の再拡張案と公募により提案された15の候補について種々検討の結果、羽田空港の再拡張案が、他の候補と比較して、既存ストックの活用、アクセス等の旅客利便等の観点から大きな優位性があるため、これを優先して推進することとされた。さらに、13年8月の都市再生プロジェクト(第二次決定)においても、「国際化を視野に入れつつ東京国際空港(羽田空港)の再拡張に早急に着手し4本目の滑走路を整備する」こととされた。
 これらを受けて、羽田空港の再拡張について、東京港における船舶航行や港湾機能の確保等の課題につき、関係者と鋭意調整を行った結果、13年12月、新たな滑走路は現B滑走路と平行に設けることを決定した。今後は、早期着工を目指し、必要な調査検討を進めることとしている。
 なお、長期的な視野に立って、将来の首都圏第3空港についても調査を続けることとしている。

図表II-2-13 羽田空港再拡張案
図表II-2-13 羽田空港再拡張案

3) 一般空港等の整備
 13年度の滑走路の新設・延長事業については、新規に滑走路延長に着手する美保飛行場、与那国空港を含む15空港で実施するとともに、地方空港整備特別事業として、青森空港、花巻空港、岡山空港の整備を行う。また、仙台空港アクセス鉄道の整備等、既存空港における利便性の向上及び安全性の確保のための高質化を図る。

 

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