2)国における率先導入
内閣総理大臣の低公害車導入率先導入方針及び13年4月に全面施行された国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)などに基づき、16年度末までに一般公用車を電気自動車、CNG自動車、メタノール自動車、ハイブリット車、超低排出ガス(☆☆☆)かつ低燃費車
(注2)に切り替えるよう、国土交通省として積極的に取り組むとともに、地方公共団体などに対しても同様の取組みを働きかけている。
<環境物品の調達を図るための方針>
一般公用車は、電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車または、☆☆☆かつ低燃費車のいずれかを97台調達する予定。
一般公用車以外の自動車は、1)電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車または、☆☆☆かつ低燃費車のいずれかを172台調達する予定。2)1)を含め、自動車の調達を実施する場合は調達目標は100%とする。
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3)今後の低公害車開発・普及に向けた戦略の策定
低公害車の開発・普及に係る総合戦略を策定するため、国土交通省は、13年5月に「環境自動車開発・普及戦略会議」を設置し、低公害車の開発・普及戦略や次世代低公害車の開発戦略について検討を行った。
また、同会議は、13年5月の総理所信表明演説において示された、政府による低公害車率先導入の方針や、大都市圏における大気汚染問題の緊急性を考慮し、7月に三大都市圏でCNGバス・トラックなどを集中的に導入する等の緊急提言をとりまとめた。
さらに、12月19日には同会議において低公害車の開発・普及を推進していくための基本戦略を示した報告書が取りまとめられた。具体的には、2010年までの低公害車の開発・普及戦略として、以下のものが示された。
(a)国の支援や、開発の前提となる燃料品質向上等を図りながら、より環境性能の高い低公害車の開発を進める。
(b)低公害車普及のため自動車グリーン化税制の活用等の支援を進める。また、量産効果、規制緩和等による低公害車の価格引き下げ、CNGスタンド等燃料スタンドの整備や利便性向上を進める必要がある。
(c)低公害車の開発・普及にあわせ、交通流対策、物流の効率化等により円滑な交通流対策の確保や交通量の抑制を図る。
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また、2010年以降の実用化を目指した次世代低公害車開発に当たっての戦略としては、以下のように定められた。
(a)乗用車については燃費の向上を重視し、一台当たりの二酸化炭素排出量を現状の2分の1程度を目指す。大型車については排出ガスの低減を重視し、NOxは2005年の規制値の10分の1以下、PMは排出ゼロ又はゼロに近いレベルをそれぞれ目指す。
(b)対応車種としては、トラックについては、次世代ハイブリッド自動車、ジメチルエーテル(DME)自動車、スーパークリーンディーゼル車等が考えられる。
(c)そのため、産官学の役割を明確化の上、国際的調和も図りつつ開発を進める必要がある。
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国土交通省としては、本会議報告書に示された総合戦略にそって今後低公害車の開発・普及に向けた施策を推進していくこととしている。
4)低公害車開発普及アクションプラン
低公害車の開発・普及を促進するため、平成13年7月、国土交通省は、経済産業省、環境省とともに「低公害車開発普及アクションプラン」を策定した。
同アクションプランでは、政府として普及に取り組むべき「低公害車」の範囲を明確にし、普及目標について「2010年度までのできるだけ早い時期に1,000万台以上」と定め、3省で連携して低公害車の開発・普及に取り組んでいる。
5)自動車の燃費改善
自動車の燃費の改善を推進するため、エネルギー使用の合理化に関する法律に基づく燃費基準の策定や自動車の燃費の公表等を行っている。
(注1)エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく燃費基準(トップランナー基準)早期達成車で、かつ「低排出ガス認定実施要領」に基づく低排出ガス認定車。
(注2)最新排出ガス規制値から有害物質を75%以上低減させた自動車(☆は25%以上低減、☆☆は50%以上低減)。