(1)建設リサイクルの推進

 建設リサイクルの推進には、1)排出抑制の促進、2)分別解体の促進、3)再資源化の促進、4)再生資源の利用促進、5)最終処分量の減量等の促進、といった各段階での対応が必要であるが、建設リサイクルの一層の推進のため建築物等に係る分別解体等及び再資源化等の義務付けや、解体工事業者の登録制度の創設並びに発注者・受注者間の契約手続きの整備等を内容とする建設リサイクル法 (注)が制定され、完全施行(14年春予定)に向け、対象となる工事の規模基準等についての政省令等の策定を進めている。

<建設リサイクル法の概要>

・分別解体等及び再資源化等の義務づけ
 一定規模以上の建築物や土木工作物の解体工事、新築工事等については、一定の技術基準にしたがって、その建築物等に用いられている特定建設資材(コンクリート、アスファルト、木材)の現場での分別を義務づけ。
 また、分別解体等によって生じた特定建設資材廃棄物について、再資源化を義務づけ。

・解体工事業者の登録制度の創設
 解体工事業を営もうとする場合、建設業許可が不要な工事を行おうとする者について、技術管理者を選任のうえ、都道府県知事の登録を義務づけ。

・発注者・受注者間の契約手続の整備
 発注者に対しては、工事に着手する日の7日前までに分別解体等の計画等の都道府県知事へ届け出ることを義務づけ。
 元請業者に対しては、事前に発注者及び下請業者に対して分別解体等の計画など、必要な事項を書面で説明すること、再資源化等が完了したときは、その旨を発注者に書面で報告することなどを義務づけ。

<建設リサイクル法の基本方針(平成13年1月17日告示)の概要>

・建設資材の開発、製造から建築物等の設計、建設資材の選択、建設工事の施工、廃棄等にいたる各段階において循環型経済社会システムを構築
・関係者による適切な役割分担の下で連携しつつ参加

1)建設廃棄物の発生抑制方策
・計画・設計段階での取組み、建築物の長期的使用、耐久性の向上、技術開発・維持理、発生抑制型工法の採用等

2)再資源化等の目標(リサイクル率)の設定
・平成22年度における目標を設定
     例:コンクリート塊、建設発生木材、アスファルト・コンクリート塊95%
・必要な再資源化施設の確保
・なお、国の直轄事業においては、再資源化等を先導する観点から、特定3品目(*)について、平成 17年度までに最終処分する量をゼロにすること(ゼロエミッション)を目指す。
  (*)コンクリート塊、建設発生木材、アスファルト・コンクリート塊

3)リサイクル材の利用促進方策
・リサイクル材の需要創出及び拡大、品質の確保、安全性、自然環境への配慮
・リサイクル材の利用・選択、開発・製造、品質確保、品質基準、規格化
・国の直轄事業における率先利用等

○解体工事業者登録制度
 建築物等の解体工事業を営む場合に登録を義務づけることとした(13年5月30日施行)。

 国土交通省としては率先して所管公共施設や公共事業におけるリサイクルを推進している。例えば、コンクリート塊やアスファルト塊は路盤材や再生アスファルト合材として再利用を図っており、建設汚泥については脱水・固化等の上で盛土材等に再利用している。また、再資源化施設に関する情報やリサイクル材の需要動向に関する情報等の「建設副産物情報交換システム」を構築し、13年度内に運用開始の予定である。

 道路事業では、設計段階から廃棄物発生抑制・リサイクル等に努めているほか、剪定枝等の発生木材のチップ化等による再資源化を図っている。



(注)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律。

 

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