(2)良質な賃貸住宅の供給

 賃貸住宅の居住水準は、1住宅当たりの居住室数や面積に関して、持家と比べて立ち遅れている。その一方で、依然として土地・建物の所有を希望する持家志向は強いものの、賃貸住宅居住ニーズは増加しつつあり、良質な賃貸住宅供給は大きな課題である。

図表II-5-4 持家と賃貸の居住水準の比較
図表II-5-4 持家と賃貸の居住水準の比較



図表II-5-5 賃貸住宅のニーズの増加
図表II-5-5 賃貸住宅のニーズの増加



1)定期借家契約の普及を通じた賃貸住宅市場の活性化
 こうしたなか、借地借家法が改正され、平成12年3月より定期借家契約が締結できるようになった。定期借家契約とは借家契約の更新がなく、契約で定めた期間の満了により借家契約が終了(再契約は可能)する契約である。この制度の活用により、持家として建設された質の高い住宅等が賃貸住宅市場で供給されることが期待される。このため、この制度の円滑な普及に向け、「定期賃貸住宅標準契約書」を作成・公表するとともに、相談窓口を設置し、相談体制の充実を図っている。さらに、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の普及等を通じて、賃貸住宅居住のルールの明確化を図ることとしている。

2)公共賃貸住宅等の供給
 住宅市場において、十分に供給されない住宅サービス等について、適切に市場を補完するため公共賃貸住宅制度等を活用して良質な賃貸住宅が供給されている。

図表II-5-6 公共賃貸住宅の趣旨と実績
図表II-5-6 公共賃貸住宅の趣旨と実績



 

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