2.海賊・不審船対策

(1)海賊対策

 近年、東南アジア海域において民間船舶を対象とした海賊事件が多数発生し ており、ここ数年、特に増加傾向にある。マラッカ・シンガポール海峡をはじめ、東南アジア海域における海上交通の安全確保と秩序維持は、輸出入のほとんどを海上輸送に頼る我が国にとって極めて重要である。

図表II-6-16 日本関係船舶に係る海賊被害発生地点(1994年〜2000年)
図表II-6-16 日本関係船舶に係る海賊被害発生地点(1994年〜2000年)

図表II-6-17 最近の海賊及び船舶に対する武装強盗事件等の発生状況
図表II-6-17 最近の海賊及び船舶に対する武装強盗事件等の発生状況



 この凶悪かつ組織的である海賊行為に対処するため、海上保安庁は平成12年 4月に開催された海賊対策国際会議において採択された「アジア海賊対策チャレンジ2000」に基づき、海上保安庁の巡視船等を東アジア周辺海域沿岸国へ派遣するとともに、必要に応じ各国海上警備機関との連携訓練を実施し、各国の海上警備機関との連携・協力を強化することとしている。
 その他、関係各国による専門家会合の継続的な開催支援、各国海上警備機関の人材育成を目的とした海上保安大学校への留学生の受け入れ、海上警備機関職員を招へいしての海上犯罪取締りセミナーの開催等を実施している。
 また、国土交通省は同会議において採択された「海賊対策モデルアクションプラン」に基づき、日本関係船舶に対する効果的な自主警備対策の推進、沿岸国の緊急通報先リストの作成・周知を柱とした官民の緊急情報伝達体制を整備するとともに、国土交通省等の官側関係者及び日本船主協会等の民間関係者からなる官民連絡会議を随時開催し、我が国全体としての取組みを一体的に推進している。

 

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