(3)都市内物流の効率化

 都市内物流の分野においては、トラック輸送の定時性及び速達性を改善するため、地元の合意等に基づいた都市圏交通円滑化総合計画により通過交通を迂回させる環状道路やバイパス等の整備や踏切道の改良等のボトルネック対策などの交通容量拡大策とともに、関係省庁と連携してTDM施策を推進している( 第II部第1章 参照)。
 さらに、共同集配を推進するため、都市内集配拠点の整備を促進し、商業地区を中心とした共同の荷さばき施設や、荷さばきのための路上停車施設の設置を行っている。このような取組みにより貨物自動車運送事業の魅力を高めて自営転換(自家用トラックから輸送効率の良い営業用トラックへの利用転換を行うこと)をすすめ、積載効率の向上を図ることにしている。
 13年度は、関係省庁、地方公共団体、民間事業者等と連携して、都市内における貨物車荷さばき効率化等の都市内物流対策に総合的に取り組む「物流TDM施策」を進めるため、渋谷区等で実施した貨物車荷さばきのための駐車スペースの設置及びその運用についての社会実験を検証するとともに、新たに創設した交通需要マネジメント(TDM)実証実験の制度を活用し、千代田区丸の内において低公害車を用いた共同配送事業を行う。
 また、都市機能の維持及び増進に寄与するため、「流通業務市街地の整備に関する法律」に基づき流通業務市街地の整備を推進している。これまでに22都市において「流通業務施設の整備に関する基本方針」が定められており、これに基づき28ヶ所の流通業務市街地が整備され(一部整備中含む)、うち22ヶ所が稼動中である。

<新大綱における数値目標>
目標: 21世紀初頭までに、三大都市圏における人口集中地区の朝夕の平均走行速度を25km毎時に改善するとともに、トラック積載効率を50%まで引き上げる。
(現状:平均走行速度21km毎時 トラック積載効率約45%)

図表II-10-8 貨物車荷さばき効率化のイメージ
図表II-10-8 貨物車荷さばき効率化のイメージ

図表II-10-9 トラック積載効率の推移
図表II-10-9 トラック積載効率の推移



 

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