第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(労働力人口の減少)

 労働力人口は平成10年をピークに減少に転じているが、厚生労働省の推計によれば、2010年でも現在とほとんど変わらないとされている。その後の労働力人口については、女性や高齢者の労働力率が一定の上昇をする前提で試算しても減少は避けられず、長期的には女性や高齢者の労働力率の上昇にも限界があるため、将来の労働力人口の減少幅は大きくなる。
 なお、近年の失業率の上昇や労働時間の短縮により、労働力の投入量は1990年代以降には減少傾向に転じている。労働時間は国際的な労働環境改善の流れや雇用形態の多様化等により更に短縮が進むものの、長期的には労働力が減少する中で下げ止まることも考えられる。
 一方、国内全体として女性や高齢者の就労が促進されたとしても、労働環境の厳しさ等から就労が進みにくい分野においては、労働力不足が深刻化する可能性がある。労働人口減少の影響を緩和し、産業や経済の活力を維持する等の観点から、外国人労働者の受入れ拡大に関する議論も高まっているが、我が国経済社会にさまざまな影響をもたらすことも予想されるため、国内の幅広い視点からの議論が必要であろう。

 
図表I-2-3-6 労働力人口の推移と見通し

労働力人口は、1980年は約5700万人であり、1998年の約6800万人まで増加している。1998年をピークに労働力人口は減少しているが、2010年までは大きな減少はしないと予想されている。その後、長期的には減少幅が大きくなり、2030年には約6300万人、2050年には約5000万に減少すると推計した。
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図表I-2-3-7 就業者数×年間総実労働時間の推移

年間総実労働時間は、1970年には約2250時間であったのが、徐々に減少し、2001年には1850時間となっている。年間総実労働時間に就業者数を掛け合わせた労働力投入量は、1975年から、1990年前後まで増加しているが、その後は減少傾向にある。
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