第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(国民一人ひとりの豊かさの実現)

 今後の本格的な人口減少社会の到来は、労働力人口の減少等を通じて経済成長への制約要因として働くことが懸念される。しかしながら、人口減少下においては、仮に国全体の経済成長がマイナスであっても、国民一人当たりの所得は増加させることが可能である。一人当たりの資産も更に増加することが予想され、これらが豊かな生活の実現のために有効に使われれば、一人当たりの空間の拡大と相まって、むしろ人口減少を積極的に活かし、国民一人ひとりにとってより豊かな社会を実現することが可能となる。このため、中長期的視点に立って、一人当たりで拡大する資産や空間を有効活用できるような基盤整備や、人口減少社会に対応した経済社会システムの効率化に今から取り組む必要がある。また、ボランティア活動や地域通貨などの経済、社会活動も増えてきており、それらの充実を図り、高齢者の生きがいや地域の活性化につなげていくことも重要である。

 
図表I-2-3-19 一人当たりの実質GDPの試算

1980年では約2700円であったのが、1990年には約3800円と増加し、その後は、伸び幅は減少するものの、2002年には、約4200円まで増加している。その後の予測では、GDPの伸び率が低調に推移したとしても、一人当たりのGDPは、増加を続けると試算される。
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