第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

(経営環境の変化)

 人口の減少による輸送需要の減少に加えて、後期高齢者の増加が移動回数や移動距離の減少をもたらすことも懸念される。公共交通の分野では、公共性の高い輸送サービスを基本的に民間の交通事業者を通じて提供しているため、特に地方においては現在でも厳しい経営状況にある交通機関が多い中で、総じて事業経営を圧迫し、需要の減少する地域からの撤退や新規の設備投資を抑制することも懸念される。公共投資と同様に維持更新費の増加は新規投資の制約要因であり、今後バリアフリーや環境関連の投資も増加が見込まれるなど、投資環境、経営環境は極めて厳しい状況にある。
 一方、女性や高齢者の社会進出や余暇時間の増加に伴う外出機会の増大等により、公共交通側の輸送能力に余裕のある時間帯を中心に、輸送需要が増加することも期待される。また、ITの活用等による新たなビジネスモデルの構築や、女性や高齢者等を対象とした新しいサービスが生まれ、新たな輸送需要が喚起される可能性も大きくなっている。

 
図表I-2-4-11 国内輸送量と運送業設備投資額の推移

国内旅客と国内貨物の輸送量は、昭和30年以降、運送業の設備投資額の増加に併せて、ともに増加してきたが、平成13年度においては、設備投資額は大幅に減少した。
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