第II部 国土交通行政の動向 

第2節 多様で活発な交流と経済活動の実現

1.国際交流・物流機能の強化

 我が国の国際競争力を強化するためには、その大都市が国際的な交流・物流のハブ(拠点)として機能すること、すなわち、人流、物流のそれぞれについて国際的な交通ネットワークの要となることが必要である。しかし、我が国大都市圏の国際交流・物流基盤である空港や港湾の現状は、新東京国際空港の暫定平行滑走路が供用を開始する等、着実に整備が進んでいるとはいえ、このような要請を満たしているとは言い難い。このため、大都市圏において、拠点空港や国際港湾のハード・ソフト両面での機能強化を図ることが緊急の課題となっている。
 具体的には、国際拠点空港の新東京国際空港、関西国際空港及び中部国際空港について、その整備を強力に推進するとともに、特に重要かつ喫緊の課題である東京国際空港の再拡張について、早期着工・早期完成を図る必要がある。また、成田高速鉄道の整備等の空港アクセスの利便性向上や、ITを総合的に活用することで空港利用者の利便性の向上を図る「e-エアポート」構想を推進している。
 また、大都市圏の国際港湾(東京圏、名古屋圏、大阪圏、北部九州圏の中枢国際港湾)について、「いつでも、より速く、より安く」を目標に、以下の施策を推進する。
 港湾の24時間フルオープン化や輸出入・港湾関連手続きのワンストップサービス(シングルウィンドウ化)の早期実現を図るとともに、湾内ノンストップ航行の実現に向けた東京湾口航路の整備やAIS(船舶自動識別装置)を活用した次世代型航行支援システムの整備等によるハード施策と海上交通環境を踏まえた新しい交通体系を構築するための調査等のソフト施策の実施、国際水準の高規格コンテナターミナル整備や産業競争力強化のための多目的国際ターミナルの拠点的配置等による物流機能強化を図る。
 加えて、PFIの活用や、アジア主要港湾を凌ぐ港湾コスト・サービスを実現するため、次世代高規格コンテナターミナルの施設整備と効率的な運営を一体的に行うスーパー中枢港湾の育成等により、高質なサービス水準の確保を図る。

 
図表II-2-2-1 大都市圏における拠点空港の整備

国際交流のための基盤としての機能や、国内航空ネットワークの中心としての機能を果たす大都市圏拠点空港の整備を推進している。成田空港においては、暫定平行滑走路を平成14年4月に共用を開始し、年間発着回数が、約20万回に増加した。その他、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港においても整備を推進している。

 
図表II-2-2-2 国際港湾の機能強化

国際港湾の機能を強化するため、行政を含めた24時間フルオープン、ワンストップサービス、ノンストップ航行、港湾物流情報プラットホーム等の施策を推進している。

 

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