第II部 国土交通行政の動向 

(2)ボトルネック踏切(注)の改良

 交通渋滞など都市活動に著しい支障をきたしているボトルネック踏切の改良については、これまで「踏切道改良促進法」等に基づき踏切道の立体交差化等を積極的に進めてきた。しかし、ボトルネック踏切は未だに全国に約1,000箇所存在し、特に東京都など大都市における交通の遮断は著しい状況となっている。

 
図表II-2-2-4 東京都内踏切道のピーク時遮断時間の状況

東京都内の踏切道のピーク時の遮断時間別の割合は、40分以上が23%、30分以上40分未満が17%、20分以上30分未満が18%、20分未満が42%となっている。
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図表II-2-2-5 大都市に集中するボトルネック踏切

全国にある約1000箇所のボトルネック踏切は、東京都に36%、大阪府に20%、その他三大都市圏に32%、その他の地域に12%ある。
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 こうした、ボトルネック踏切を含む踏切道における事故防止と交通の円滑化を図るため、鉄道側と道路側が連携を強化し、踏切道対策を総合的かつ集中的に進めていくこととしている。
 具体的には平成14年度、連続立体交差事業では鉄道事業者による立替制度及び鉄道事業者による立替分等への道路開発資金の低利融資制度について、ボトルネック踏切を含む場合には貸付期間を延長するなどの拡充を行った。また、良好なまちづくりを進めるため、連続立体交差事業にあわせ周辺市街地において一体的に街路事業等を実施する「連続立体交差関連公共施設整備事業」を創設した。
 さらに踏切道及びその周辺において都道府県公安委員会が実施する交通規制のあり方について、協議を行っている。
 平成14年度において、連続立体交差事業はJR中央線(東京都)等62箇所、連続立体交差関連公共施設整備事業は小松駅付近地区(石川県)等24地区にて実施している。

 
図表II-2-2-6 ボトルネック踏切対策

JR中央線連続立体交差事業の場合。現状では、JR中央線の多数の踏切において、渋滞、踏切事故、地域分断が発生し、踏切の多くが、ピーク時の1時間当たりに40分以上遮断されるボトルネック踏切である。連続立体交差事業により、その大部分がボトルネック踏切であった当該区間の踏切18箇所が一挙に除却され、小金井街道踏切では、ピーク時遮断時間が0分、最大渋滞の長さも0メートルとなり、自由な往来による街の一体化の実現という効果が考えられる。当該事業の箇所はJR中央線の三鷹と立川の13.1kmの区間であり、完成予定は、三鷹と国分寺の区間で平成18年度、国分寺と立川の区間で平成20年度である。

 
図表II-2-2-7 連続立体交差関連公共施設整備事業のイメージ

連続立体交差事業にあわせ、周辺市街地において土地区画整理事業、市街地再開発事業等を一体的に実施するイメージ図である。



(注)ピーク時の遮断時間が40分以上、または、踏切交通遮断量(1日交通量×踏切遮断時間)が5万台時/日以上の踏切

 

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