第II部 国土交通行政の動向 

(2)良質な賃貸住宅の供給

 賃貸住宅の居住水準は、1住宅当たりの居住室数や面積に関して、持家と比べて立ち遅れている。その一方で、依然として土地・建物の所有を希望する持家志向は強いものの、賃貸住宅居住ニーズは増加しつつあり、良質な賃貸住宅供給は大きな課題である。

 
図表II-4-1-6 持家と賃貸の居住水準の比較

平成10年に実施された住宅・土地統計調査において、貸家では、1住宅当たり居住室数は2.8、1住宅当たり延べ面積は44.5であるのに対して、持家では、1住宅当たり居住室数は6.0、1住宅当たり延べ面積は122.7となっている。
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1)定期借家契約の普及を通じた賃貸住宅市場の活性化
 平成12年3月に施行された改正借地借家法により創設された定期借家権制度は、借家契約の更新がなく、定められた契約期間の満了により確定的に借家契約が終了(再契約は可能)する借家権であり、この制度の活用により、質の高い住宅等の賃貸住宅市場での供給が促進される。
 このため、この制度の円滑な普及に向け、「定期賃貸住宅標準契約書」を作成・公表するとともに、相談窓口を設置し、相談体制の充実を図っている。さらに、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の普及等を通じて、賃貸住宅居住のルールの明確化を図ることとしている。

2)公共賃貸住宅等の供給
 住宅市場において、十分に供給されない住宅サービス等について、適切に市場を補完するため公共賃貸住宅制度等を活用して良質な賃貸住宅が供給されている。

 
図表II-4-1-7 公共賃貸住宅等の趣旨と実績

公共賃貸住宅等には、公営住宅、改良住宅、公団賃貸住宅、公社賃貸住宅、特定優良賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、住宅金融公庫融資による民間賃貸住宅、農地所有者等賃貸住宅などがあり、その管理戸数は、公営住宅では約217万戸(平成12年度)、公団賃貸住宅では約75万戸(平成13年度)などとなっている。
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