第II部 国土交通行政の動向 

(3)高齢者等の災害弱者対策

 高齢者等災害弱者を守るために、ハード、ソフトの両面から施策が実施されている(第I部第3章第2節3.参照)。

1)高齢者等災害弱者対策
(ア)老人福祉施設等の周辺における砂防関係事業等の重点的実施等のハード的対策
 土砂災害等の犠牲となりやすい自力避難が困難な災害弱者に関連した病院、老人ホーム、幼稚園等の災害弱者関連施設に係る危険箇所について、採択基準の拡充等により、砂防えん堤等の土砂災害防止施設や人工リーフ等の海岸保全施設を重点的に整備しており、平成14年度においては、約760箇所で実施している。
(イ)災害情報の提供や土砂災害特別警戒区域等内の開発行為の制限等のソフト的対策
 災害弱者関連施設の管理者等に、土砂災害の危険性に関する情報の提供を行い、災害への注意を常に喚起している。平成14年6月には、約4,700施設等に対して、訪問等による土砂災害情報の提供を実施している。
 また、土砂災害防止法(注)に基づいて、土砂災害特別警戒区域等内の災害弱者関連施設等の建築のための開発行為の制限等を推進している。

2)高齢者の給水作業による負担の解消
 山間地域や離島等においては、水道普及率が極めて低く、不安定な水源に依存しているところが多い。そのため毎年のように給水制限・断水があり、その都度、給水車等が出動して給水作業が行われている。そうした地域では高齢化率も高く、給水運搬作業は多くの高齢者の負担となっている。そうした高齢者への大きな負担を解消するために、安定した新たな水源となる生活貯水池の整備の推進を図っている。



(注)土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律

 

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