第II部 国土交通行政の動向 

第3節 国際的な交通ネットワークの構築

1.国際航空ネットワークの構築

(1)国際航空ネットワークの現状と課題

 国際旅客輸送はこれまで飛躍的に拡大しており、今後も引き続き強い需要の伸びが見込まれている。特に国際旅客の大半が航空輸送によって担われることから、国際航空ネットワークの拡充は不可欠であり、従来より国際空港の整備や新規航空協定の締結(注)等を通じて着実にその推進を図ってきたところである。しかしながら、大都市圏における国際拠点空港の整備水準は不十分で、各航空会社や諸外国からの増便要請や新規乗り入れ要請に十分対応できない状況にあり、このままの状態が続けば、国際交流機能の障害によって我が国の経済活動の中心である大都市圏の国際競争力が損なわれる恐れも出てくる。したがって、21世紀において我が国がグローバル社会の中で確固たる地位を確保するためには、大都市圏の国際拠点空港機能の強化が切実な課題となっている。



(注)現在の国際航空は、昭和19年に採択された国際民間航空条約(シカゴ条約)を基礎に、原則として関係二国間の航空協定に基づいて形成されている。

 

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