第II部 国土交通行政の動向 

2.「NAVINET(ナビネット)」の高度化

 ハード・ソフトが一体となった総合的な交通体系を構築するためには、交通体系の現状や整備効果を定量的に分析・評価できるシステムが必要である。また、交通体系整備の意図と結果を分かり易く説明するために、アウトカムの形で提示することも求められている。このため国土交通省では、平成9年度から総合交通体系分析システム「NAVINET(ナビネット)」の開発を進め、13年度より全省内で運用を開始している。
 ナビネットは、全国を市区町村や2次メッシュ(約10km四方)等で区分した任意のゾーンや、交通拠点施設等について、地点間の最短所要時間を道路・鉄道・航空・船の組み合わせにより算出し、各種の統計データと組み合わせて分析することが可能なシステムである。また、地方自治体や大学、民間研究機関からの依頼を受けて分析結果の提供を行うなど、地域の人々の暮らしや産業活動の検討にも有効なツールとして利用されている。

 
図表II-5-4-2 NAVINET

1時間で交流可能な人口は、関東圏、大阪圏で1000万人以上、名古屋圏、福岡で200万人以上、札幌、仙台、新潟、広島等の地方都市で100万人以上となっている。高速道路網の1日当たりの交通量は、東京圏の高速道路、東名自動車道で10万台以上であり、東北自動車道、山陽自動車道等、地方都市を結ぶ高速道路で5万台以上となっている。

 

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