第II部 国土交通行政の動向 

(3)CM方式の導入に向けた検討

 従来、我が国における建設生産・管理システムは、分離発注が行われる場合を除き、発注者が総合工事業者に施工を総価により請け負わせる一括発注方式が主として活用されてきたが、発注者を取り巻く経済環境が変化し、コスト意識が高まる中で、専門工事業者の技術力の上昇もあり、CM方式(Construction Managemnt)方式に対する関心が高まっている。
 特に民間発注者を中心として、コスト構成の透明化等に対するニーズが高まっており、既に一部では外資系企業や大手ディベロッパーを中心にCM方式の活用が始まっている。
 一方、公共発注者においても、技術者が不足している地方公共団体を中心として、技術者に対する量的・質的補完や設計・発注・施工段階の発注者の機能強化を図る観点から、CM方式に対する関心が高まっている。

○CM(Construction Management)方式 (ピュアCM)
 1960年代に米国で始まった建設生産・管理システム。
 コンストラクション・マネージャー(CMR)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階において、設計や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理等の各種のマネジメント業務の全部又は一部を行うもの。
 【CM方式活用のメリット】
 ・多様な建設生産・管理システムの形成による発注者の選択肢の多様化
 ・コスト構成の透明化 ・発注体制の強化(発注者内技術者の量的、質的補完)
 ・技術的に優れた施工者の育成(特に専門工事業者) 等
 



 国土交通省では、CM方式に対する関係者の理解を深めるため、平成14年2月に「CM方式活用ガイドライン」を策定し、我が国でCM方式を導入するに当たっての課題等の整理を行った。また、14年12月、同ガイドラインを踏まえた「地方公共団体のCM方式活用マニュアル試案」も整理された。

 

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