第II部 国土交通行政の動向 

(4)海事産業技術の開発・実用化

 現在、海事産業技術は、造船技術を核として、国際競争力強化が大きな課題となっており、「キャッチアップ型産業技術」から「フロンティア創造型産業技術」への変革が急務となっている。
 すなわち世界に先駆けた創造的な技術の開発が求められており、こうした中、平成元年度から7年度にかけてテクノスーパーライナー(TSL)の研究開発を行い、実用化に取り組んでいる。また、海洋空間の有効利用による社会資本の円滑な整備と海事産業の高度化を促進するため、7年度から14年度にかけてメガフロートの研究開発を推進してきた。
 本研究開発によりメガフロートの設計・建造に係る基盤技術が確立されると共に、世界最大の1,000m浮体空港モデルを用いた実証実験により国土交通省内の検討会において4,000m級の空港としての利用が技術的に可能との結論が得られた。これらの成果を受け、羽田空港再拡張事業工法評価選定会議に工法候補の一つとして提案され、適切な設計を行うことにより建設が可能であるとの最終結論を得ている。
 また災害に強い特長を活かした浮体式防災基地、情報化の急速な進展にともなうITバックアップ需要に対応して、情報基地としての機能を実証するための調査研究等も実施され、メガフロートの実用化への可能性が大きく広がった。
 その他、低環境負荷型舶用推進プラント(SMGT:スーパーマリンガスタービン)の研究開発、次世代内航船(スーパーエコシップ)、低環境負荷型外航船(グリーンシップ)の研究開発等、先進的な技術開発も推進している。
 
<メガフロート(1,000m浮体空港モデル)>



 

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