第II部 国土交通行政の動向 

(2)不審船・工作船への対応

 今回の事案では、工作船から武器による攻撃を受け、対応した巡視船が多数の銃弾を受けて海上保安官3名が負傷する等多くの教訓を残すこととなった。政府は、今回の事案を受け、平成14年4月に「九州南西海域不審船事案対処の検証結果について」をとりまとめている。今回の事案で確認された工作船の武器は、いわゆる不審船が一般的に装備している可能性があるものと想定していたところであるが、海上保安庁では、政府の検証結果等を踏まえ、対処する職員の安全を確保しつつ、不審船・工作船を確実にだ捕するため、不審船・工作船が保有しているとされる武器の有効射程を考慮して、5,000m以遠の遠距離から正確な射撃のできる機関砲を搭載した高速高機能大型巡視船の整備等不審船・工作船への対応に必要な装備・運用態勢等の充実強化を進めることとしている。また、今後も防衛庁をはじめとする関係省庁との連携を通じ、政府全体として、不審船事案に対し厳正に対処するよう万全を期すこととしている。
 
<工作船の引揚げ>



 
図表II-6-1-1 不審船・工作船が保有する武器への対応

不審船が保有している武器、例えば、14.5ミリ機関銃、携行地対空ミサイル、82ミリ無反動砲、ロケットランチャーに対応するための武器を巡視船や警備船等に装備している。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む