第II部 国土交通行政の動向 

3.海上交通における安全対策

(1) 船舶の安全性の向上

 船舶の安全に関しては、IMO(国際海事機関)を中心に国際的な基準が定められており、日本は、世界有数の造船・海運国として国際基準の策定において重要な役割を果たしてきている。近年においては船舶の航行の安全に係る技術革新等に対応したAIS(船舶自動識別装置)の搭載をはじめとする船舶の各種設備等に関する安全基準の大幅な見直しについて国際基準化に積極的に対応してきた。平成12年SOLAS条約(海上人命安全条約)が改正され、14年7月1日の発効に伴い、我が国においても国内法制化を行った。また、このような国際基準を満たさない船舶(サブスタンダード船)の排除に向けた国際協調やポートステートコントロール(PSC)の強化等に取り組んでいる。
 一方、国内においては、船舶の安全性等のための技術的な規制について、合理的かつ効果的な規制体系の構築に努めるため、規制内容に対する効果の客観的な評価を行う「船舶の総合的安全評価」を実施している。
 また、効率的で安全かつ環境にやさしい輸送サービスの構築を図るという社会的要請に応えるため、13年度より「高度船舶安全管理システムの研究開発」を実施し、船舶の安全性と運航効率性の飛躍的向上を可能とする新たな安全管理システムの構築を目指している。

 

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