第II部 国土交通行政の動向 

3.自動車、FRP船のリサイクル

(1)自動車のリサイクルシステム・評価制度の構築

 使用済自動車は年間400〜500万台発生しており、埋立処分場の残余容量が逼迫していることなどを考慮すると、現時点におけるリサイクル率80%程度をさらに向上させることは喫緊の課題である。また、道路等において年間2万数千台に及ぶ大量の自動車の不法投棄も発生しており、生活環境の悪化を招き、道路交通の障害となり、処理の社会的コストも膨大となるなどその対策が急がれている。
 このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることにより使用済自動車のリサイクル・適正処理を図ることが可能となる新たなリサイクル制度を定めた「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」の制定に併せ、平成14年7月に道路運送車両法を改正したところである。
 具体的には、自動車の登録制度等について、1)自動車リサイクル法に従って解体されたことを確認した上で抹消登録等を行うこととする、2)一時抹消登録した自動車についても、その所有者は、解体又は輸出の事実を運輸支局等に届け出なければならないこととする等により、使用済自動車の適正処理の促進及び不法投棄の防止を図ることとしている。また、リサイクル部品在庫情報の充実や利用促進方策の検討等も行っている。
 さらに、自動車や部品の生産から使用、廃棄に至るまでの全過程にわたる環境負荷に関する情報(LCA:ライフサイクルアセスメント)を提供するため、自動車環境アセスメント制度について検討を進めている。

 
図表II-7-1-9 国土交通省の自動車リサイクルに向けた取組み

リサイクルしやすい自動車の推進、整備におけるリサイクル部品の利用促進、使用済み自動車の適正処理を促す制度の構築といった新車、使用過程車、廃車のそれぞれのプロセスで、自動車リサイクルに向けた取組みを行っている。

 

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