第II部 国土交通行政の動向 

(2)FRP船リサイクル・リユース

 昭和40年代以降急速に普及したFRP(繊維強化プラスチック)製プレジャーボートは、廃船処理費用が高いことや、処理事業者が限られていることなどの理由から、利用者による適正な廃船処理が行われず、不法投棄などの問題が発生している。しかも、今後廃船となるFRP製プレジャーボートの増加が見込まれており、低廉な廃船処理方法の早期実現、さらに、限られた資源の有効活用を図り、循環型社会の構築を促進するための処理方法の確立が必要とされている。
 そのため、国土交通省では、平成12年度より1)リサイクル技術の確立及びリサイクルシステムの事業化、2)リユース技術の確立を柱とした「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」を実施している。また、瀬戸内海西部地域において、リサイクルシステム総合実証実験を行い、リサイクルシステム制度化に向けた検討に資する成果が得られた。
 今後は、リサイクルやリユースに係る技術的課題、関係者の役割分担や費用負担の明確化等の課題を15年度までに克服し、17年度のリサイクル制度運用開始を目指すこととしている。

 
図表II-7-1-10 FRP廃船リサイクルシステム事業化に向けた技術的課題

FRP廃船リサイクルシステム事業化に向けた技術的課題は、収集・運搬段階で効率的な収集・積載、分解・解体段階で解体作業場所の確保、破砕・選別段階で破砕気候の耐久性、調合・分析段階で有害物質含有、リサイクル段階でセメント炉の耐久性などがある。

 

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