第I部 活き活きとした地域づくりと企業活動に向けた多彩な取組みと国土交通施策の展開 

コラム・事例 能登空港の開港を契機とした地域活性化の取組み

 平成15年7月7日、石川県に能登空港が開港し、能登−東京間が約1時間で結ばれるようになりました。
 能登空港は、県が設置管理する第三種空港で2,000mの滑走路を有し、能登半島のほぼ中央部に位置します。近くには朝市や千枚田で有名な輪島や和倉温泉などがあり、地元では、住民の利便向上とともに首都圏からの観光入込み客の増加につながるものと大きな期待が寄せられています。

 
<和倉温泉>



 現在、定期便は能登−東京便1日2往復(ANK)となっていますが、能登空港イン〜小松空港アウトによる能登・金沢・加賀の広域的な観光コースの売込みも浸透した結果、開港後の能登−東京便の搭乗率は5か月連続で90%を超えるなど、好調に推移しています。

 
<能登空港に着陸する1番機>



 首都圏では、豊かな自然や観光名所、伝統工芸など、恵まれた能登の観光の魅力を背景にテレビや新聞・旅行雑誌などで「癒しと醸しの半島 能登」のPRを積極的に展開するとともに、平成15年1月には情報発信・物産販売拠点としての「有楽町 能登ふるさと館」を開設しています。また、能登地域の観光関係者が中心となり、都内での街頭キャンペーンの展開や旅行代理店との提携による誘客キャンペーンに取り組むとともに、能登19市町村では地元住民の利用を促進するために運賃助成制度を設けるなど、行政と民間が一丸となった各種の利用促進策が推進されています。
 加えて、開港に合わせ、空港との交通手段として乗合ジャンボタクシー「能登空港ふるさとタクシー」の運行が開始され、能登各地へ低料金で行けるようになったほか、空港の隣接地には日本航空学園(定員:920人)が平成14年4月に開校、さらには臨空産業団地の造成が進められるなど、空港を核とした周辺地域の振興も着実に進められています。
 また、ターミナルビルには全国初の試みとして16の行政機関が合築されるとともに、全国初となる空港の「道の駅」登録など、空港周辺の賑わい創出や活性化のための様々な工夫と試みが用いられています。

 
<能登空港ふるさとタクシー>



 

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